[ALEXANDROS]川上洋平、アメリカ映画を語る

Rolling Stone Japan vol.04掲載|[ALEXANDROS]川上洋平(Photo by OGATA for Rolling Stone Japan)

年間150本以上のもの映画を鑑賞するという映画好きの[ALEXANDROS]川上洋平。バターたっぷりのポップコーンと映画館を愛する彼に、幼少期から現在に至るまでの自身の映画ヒストリーと偏愛する「アメリカ映画」について語ってもらった。「たくさんの人を喜ばせてくれる映画が好き」という川上洋平の映画哲学を紐解こう。

※この記事は2018年9月25日に発売されたRolling Stone Japan vol.04に掲載されたものです。

映画は自分が「主人公」になれる感覚が味わえる

ーこのインタビューでは川上さんと映画、特にアメリカ映画がお好きだと伺ったので、そのあたりについてお話を聞いていきたいんですけど。一番最初に観た映画って覚えてますか?


えーと、『バットマン』(1989年)ですね。ティム・バートン監督、マイケル・キートン主演の一番最初のやつです。TVで予告が流れていて「めっちゃカッコいい!」ってテンション上がって、親にせがんで連れていってもらいました。キム・ベイシンガーのセクシーなシーンもあったんで……いいのかなぁ、と思いつつ(笑)。親もよく連れて行きましたよね! ウルトラマンとかドラえもんが最初の映画って人も多いでしょうけど、僕は『バットマン』でした。

ーそれ、おいくつぐらいのときですか?

小学校一年生ぐらいかな? 全然ストーリーとか理解できてなかったと思うんですけど、怖がりながらも、とにかく面白かったのを覚えてます。

ー『バットマン』以外に子ども時代に観て面白かった映画ってなんでしたか?

父親と一緒に観た『ダイ・ハード』(1988年)です。「これは、俺のための映画だ」って思いました。その影響か、やっぱり、今でもポップコーン・フィルムが大好きで。そういうのを「ダメ、映画がわかってない」っていうシネフィルの人は苦手ですねー。

ーちょっとした反感みたいなものもあります?

映画を年間170本ぐらい観てると、知識も増えていくし、語れることも、語りたいことも増えていくんだけど、それやりだすと映画の敷居が高くなっちゃうじゃないですか? 映画に興味がないなって人にも普通に、遊園地に行くような感覚で観てもらいたいなって思うので、俺はそれはしないっていうだけで。ライトに語れるような評論家がもっと増えればいいのにって思うんですよね。

ー確かに、映画好きの裾野を広げるという意味でも大事なことですよね。川上さん、一時期、映画を語る連載を雑誌で持たれてたじゃないですか。

あれは、10~20代の子たちが読者層だったので。映画とか本当に観ない子たちに向けて書いていたものだったんです。俺も、そういうライトなにわか評論家を目指して書いてましたね(笑)。

ーもはや「にわか」ではない気もしますけどね(笑)。話を元に戻しますが、『ダイ・ハード』は、何がそこまで刺さったんでしょうか?

その頃にはもう海外にいたんですよね。で、家でビデオを観たんですけど。次の年ぐらいに家族でアメリカ旅行に行って。作品に出てきた「ナカトミ・プラザ」っていうビルをロサンゼルスに見にいったりしたんです。本当は名前も全然違って「フォックス・プラザ」っていう20世紀フォックスのビルなんですけど。そのとき、ニューヨークにも行ったんですよね。『ホーム・アローン2』(1992年)でドナルド・トランプとマコーレ・カルキンが出くわしたプラザ・ホテルも見に行って。実際にその舞台を訪れたときに感じるものがあって……「映画っていいなぁ」って思うようになった気がします。

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