モモコグミカンパニーの居残り人生教室「会社員からレコードバーのマスターへ転身した理由」

モモコグミカンパニー(BiSH)(Photo by Takuro Ueno)



モモコ:例えば、カウンターに3人のお客様が座っていたとして、それぞれ趣味が違うじゃないですか。どんなレコードを流すか気を使いますか?

伊藤:1人ずつ、その人が好きなレコードを順番にかけるよ。選曲に関してはいろんなボールを投げつつ、お店にいるお客様全員が反応するポイントを探りながら、「ここ被った!」ってところを厚めにしていく感じかな。

モモコ:自分の好きな曲をかけるっていうよりはお客さんの好みに合わせていく。

伊藤:音楽が大好きだから選曲は好きだけど、自分が好きなのは恥ずかしくてあまりかけない。

モモコ:ちょっとわかります。一番好きなものはあんまり人に見せたくないみたいな。

伊藤:ただ、自分が好きなものをお客様が好きっていうケースもあるからね。それを聴いたお客様が「たまにはこういうのもいいね」って言ってくれる。開店以来、そういう出来事も増えてきて、その一瞬一瞬が常に楽しいです。日々の営業が終わった瞬間、「今日も素敵な方に来ていただいたな」と思えるので。

モモコ:やっぱり人が大切ですよね、音楽があるところには人がいたほうがいいというか、人がいないと音楽も成り立たないわけですし。

伊藤:今はイヤホンで聴く人が多いし、プライベートな楽しみになってる感じはするけど、みんなで聴く楽しさってあるからね。



モモコ:そうですよね。ライブに行かなくても曲をイヤホンで聴くことはできるけど、それだけでは味わえない満足感がライブにはあります。私もBiSHに入るまではライブとかほとんど行ったことがなくて、音楽は自分一人で聴けばいいじゃんって思ってたんですけど、ライブをやる立場になってからまた考えが変わりました。

伊藤:好きなものが共通する人たちと一緒にいられること自体が楽しくて、さらに目の前のライブを共有できる。だからライブって面白い。

モモコ:レコードも自分の家で聴くだけでいいかもしれないけど、このバーに来たら音楽が好きな人たちと一緒に楽しめますよね。あと新しい音楽も知れるだろうから視野も広がるだろうし、自分が好きなものだけでできている世界も楽しいけど、お店に来ることで新しい出会いがありそうですね。

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