2018年のBiSH、確かな成長を支えた6人それぞれの意識

BiSH:左からハシヤスメ・アツコ、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、リンリン、アユニ・D、アイナ・ジ・エンド(Photo by Masato Moriyama)

今週末22日、幕張メッセ9・10・11ホールで過去最大規模のワンマンライブ「BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE”」を控えるBiSH。メンバー全員のインタビューをお届けする。

2018年5月に開催された横浜アリーナワンマン「BiSH "TO THE END”」、夏フェス出演ラッシュ、ソロプロジェクト、銀杏BOYZとの対バンなど、2018年は彼女たちにとって試金石と言える重要トピックが数多く存在する1年だった。“強くなった”という言葉がインタビュー中に何度も聞かれ、彼女たち自身も確かな成長と視野の広がりを実感しているようだ。そんなBiSHが12月5日にニューシングル「stereo future」をリリースした。2018年の活動を振り返りつつ、メンバーに話を聞いた。

―2018年はチッチさんとアイナさんとアユニさんがソロを行ったり、ライブの数も今まで以上に多くて。そういう状況での久々のシングルということで、これまでと違った心境というか位置づけはあるのかなと。特に3人はソロ活動でのインプットも、BiSHのレコーディングやライヴに上手くフィードバックできているんじゃないかなと新曲を聴いて感じました。そういう感覚はありますか?

セントチヒロ・チッチ(以下、チッチ):ソロの時はすごく自分の好きなようにやらせていただいていたので、初めて自分で考えなきゃいけないことも多くて。音楽を作っていく上で知らなかったことも知れたり、音作りから一緒にさせてもらったりして、すごく楽しかったんですよ。BiSHの音楽を作る上で、音作りから携わらせてもらうことはなかったので、こういう風にできていくんだということを知ってワクワクするようになったんです。歌に関しては、ソロの時はこれと言って上手く歌おうとしていなかったので。自分のままで歌おうって思っていたから。でも、ステージに立つ上でちょっと前よりも度胸がついたというか。BiSHに何が還元できているかまだわからないけど、すごくいい経験になったので、音楽をやっていく上で自分にとってはすごく良かったと思います。

アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ):「きえないで」って曲をチッチの「夜王子と月の姫」(銀杏BOYZのカバー)と2曲入りのスプリットシングルとしてリリースしたんですけど、それまでのソロワークスはBiSHに貢献するためにやろうって気持ちが強くて、わりとそれしか考えていなかったんです。どんなところに出ても“from BiSH”がついているので、BiSHの顔に泥を塗らないようにと思っていたんですけど、「きえないで」は18歳の時に作詞作曲した曲だったので、よく考えたらBiSHは関係ないなぁと思って。ってことは、BiSHを一回外して、BiSHでもなくてアイナ・ジ・エンドでもなくて、1人の女性として音楽を作ってみようと思った時に、すごく価値観が変わって。自分は別にBiSHのためだけに音楽をやらなくていいんだって気づいた時に、すごく視野が広がって。そうなった時にメンバーを見る目も変わって、どんな姿でも受け入れられるようになったというか。だから、貢献できているかはわからないけどBiSHの音楽への着眼点も変わって。まだちゃんと結果には出せていないかもしれないんですけど、考えがちょっとずつ変わっていきました。


セントチヒロ・チッチ


アイナ・ジ・エンド

―その変化は、どういう形かはわからなくてもBiSHの活動に影響を与えている?

アイナ:そうですね。私はBiSHにやっていることと言ったら振り付けしかないんですけど、メンバーによっては、例えばダンスパートと言ったらアユニに踊ってもらうのが映えると思っていたんですけど、新しいBiSHの可能性を開こうと思った時に、今までしっかりBiSHを背負っているメンバーで、ちゃんとダンスを任せてこなかったのはモモカン(モモコグミカンパニー)とリンリンだなと思って。だから「stereo future」は2人に大事なダンスシーンを任せました。難しかったんですけど、ビックリするくらいカッコ良くて。目の据わり方が違うというか。そういう意味で、振り付けで貢献できているのかなって気はしています。ソロのおかげでちょっと幅が広がった。

―アユニさんは?

アユニ・D(以下、アユニ):私はチッチと似ているんですけど、バンド体制でのソロデビューだったので、曲作りから曲を出して、自分で楽器を弾けるようになって、ライブをやるところに至るまで、今まで知らなかった世界をすごく知れて。毎日8時間くらいスタジオにこもって練習をして。でも、あまり大変だと思わなくて、むしろすごく面白くて。毎日何時間も練習していたら声もすごく出るようになったり、レコーディング時のノリも、楽器との声の合わせ方も初めてちゃんとわかって。そういうのをBiSHのレコーディングで活かせられたのをすごく実感したし、ライヴでも以前よりも声が出るようになったのが自分でもわかるので。ソロのおかげで、今は楽しんでできているなってわかります。

―アユニさんのソロプロジェクト“PEDRO”は完全なるバンド体制でしたけど、いまBiSHでステージに立っていて、空気感的にバンドと通じるところがある気はしますか?

アユニ:今まで楽器を持たないパンクバンドと名乗っていたけど、やっぱり楽器を持って本当にバンドをやってみると、BiSHでやってることは歌って踊ることだから、本来のバンドとはやっぱり全然違う、大変さだなと思います。


アユニ・D

―声と自分の体しかないから、音を鳴らすものがないわけですもんね。

アユニ:そうですね。逆に違いすぎて。今まで私は歌と踊りで表現してきたので、ベースを持ってマイクスタンドの前でずっと立って歌うのがすごく難しくて。これでどうやってお客さんを盛り上げられるんだろうって疑問に思って、すごいなって思いましたね。

―本当のバンドってこういう感じなんだって気づいたんですね。アユニさんは声の出し方が変わったとおっしゃっていましたけど、3人が外で活動したことで、BiSHとしてステージに立ったときに3人の変化を他の3人が感じることはありましたか?

ハシヤスメ・アツコ(以下、アツコ):何だろう、強くなった気がして。例えばアユニはインタビューがさらに堂々とした感じがする。やっぱり、ソロで1人で何かをするってすごく大変なことだと思うんですよ。全部自分の責任になるし、自分1人でやっていかないといけないから、イヤでも大人になるというか責任感が芽生える。3人が外で戦ってきてくれて、戻って来た時に「あ、さらに強くなったな」って思ったんですよ。個でも強くなった気がするし、BiSHに戻ってきた時も得たものを全部ステージで還元するというか、発揮している感じがして。何だろうなぁ……もともとグループだったものが、ソロアーティストがさらに3人入ってきた感じ? すごく強くなった気がしたんですよね、BiSHが。

モモコグミカンパニー(以下、モモコ):新曲の「stereo future」は、ソロデビューしたからではないとは思うんですけど、3人が際立ってすごく強いヴォーカルになったり。3人がソロデビューしたけど、6人とも強くなっている気はしてて。例えば3人がソロデビューしている時、BiSHの仕事はなかったですけど、私もインプットの期間として過ごしていて。本もたくさん読めたし、BiSHの活動ではない時も無駄じゃない時間を過ごせたなって。その期間を経て、忙しいままだったら思いつかなかった発想が自分の中にある気がするから、自分的にも強くなっているのかなと思ったりしますね。



―その期間、インプット量が多かったんですね。


モモコ:そうですね。BiSHの活動がないと必然的に多くなります。BiSHだと目まぐるしく動いていたのが、本を読んだり書いたりとかが真剣にできて。考えることもたくさんあったりして、自分的にいい期間でした。BiSHに貢献できているかはわからないですけど、ちょっとは強くなれたのかなって思います。

―リンリンさんは振り付けの部分で、今回の「stereo future」に限って言うと、これまでとはまた違った貢献ができているなという部分はありますか?

リンリン:何か……あまりみんなに合わせるのが好きじゃないんですけど、モモコさんとちゃんと合わせた振り付けをしなきゃいけないので、一緒に作っている感じがします。みんなで何かをすることがそんなに得意じゃないので……。でもライブだと楽しくて。目を合わせてやるところが好きです。

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