ルーファス・ウェインライトが語る初期2作の軌跡、LGBTQを巡る変化とトランプ政権への回答

1998年のルーファス・ウェインライト(Photo by Catherine McGann/Getty Images)



―10月には2作目のオペラ『Hadrian』も初演されました。あなた自身の手応えは?

ルーファス:この作品については本当に大きな誇りを抱いているよ。トロントでの初演は大成功だったし、あちこちのオペラハウスが興味を示していて、まさに今、次にどこでどう見せるのか交渉を進めているところなんだ。何しろ大作だからね。全4幕で、主要な登場人物が13人もいる。物語も非常に重厚で深みがあると思うし、オーディエンスに挑みかけるようなところがある。ぜひとも正式にスタジオでレコーディングを行なって、アルバムにしたい。もちろん完璧な形になるまでには、恐らくこれから2年くらいを費やして、少しずつ手を加える必要がある。偉大なオペラ作品はどれもそういうものだし、とにかく今のところ、心から仕上がりには満足しているよ。

―今作は内容警告付きで18歳以上限定という、演出面でも型破りな作品のようですね。オペラの世界の常識を破りたいというような意図もあったのでしょうか?

ルーファス:(笑)これは少々大げさな話で、カナダ人らしいリアクションだと思うよ。カナダ人はあれこれ細かいことを心配し過ぎるんだ。確かに、かなりセクシュアルなシーンがひとつあるけど、品位をもって表現されているし、実際は非常に美しくて、音楽的にもロマンティックなシーンなんだ。過激なことをして挑発しようという意図は全くないよ。ショッキングでも何でもないし、単にふたりの男性が愛し合っているというだけ。世の中では、そういうことも時たま起きるのさ(笑)。


オペラ『Hadrian』のトレイラー映像

―ポップ・アルバムは2012年発表の『アウト・オブ・ザ・ゲーム』以来途切れていますよね。ミッチェル・フルームと新作をレコーディングしていると報じられましたが、進行具合は?

ルーファス:今まさに絶賛制作中だよ。ミッチェルは素晴らしいプロデューサーで、コラボレーションを心から楽しんでいる。僕とミッチェルの組み合わせは、まさに夢の取り合わせだよ。カリフォルニアという天国が引き合わせた運命のふたり、だね。いや、「地獄が引き合わせた」と言うべきかな。天国であり、同時に地獄でもあるのがカリフォルニアだから(笑)。

―もしかしてポリティカルな趣のアルバムになるのでしょうか?

ルーファス:いいや、そうはならないと思うよ。むしろ、非常にパーソナルなアルバムになると思う。もちろん、怒りを多分に含むことになるだろうけどね。傷を負った種族として(笑)、僕たちみんなが共感できるような題材に触れてはいるけど、今の僕はそれよりも、人々の魂を癒すような曲を歌いたいんだ。

―思えば、デビューした年に2度来日しています。特に記憶に残っていることはありますか?

ルーファス:覚えていることはたくさんあるけど、日本の社会そのものに驚嘆させられたと言うべきなんじゃないかな。視覚的な面もさることながら、食事から生活習慣に至るまで、何もかも含めて。あれ以来何度も訪れているけど、時間に余裕がある時は必ず歌舞伎を観に行っているんだ。能もぜひ一度観てみたいと思っていて、とにかく舞台芸術を鑑賞するのが好きなんだよ。

―3月の来日公演を楽しみにしているファンに、メッセージをお願いします。

ルーファス:前回の来日から少し時間が空いてしまったから、まずは「ごめんなさい」と言っておきたい。みんなと再会できるのを楽しみにしているよ!



ルーファス・ウェインライト

RUFUS WAINWRIGHT 
ALL THESE POSES ANNIVERSARY TOUR 2019

3月28日(木)・29日(金) 
東京国際フォーラムホールC 19:00開演
チケット:¥10,000(税込)
https://udo.jp/concert/RufusWainwright

RECOMMENDEDおすすめの記事


Current ISSUE

RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事