中国が目をつけたノースカロライナの養豚業、悪臭は「お金の香り」

デュプリン郡で飼育される食用豚の排泄量は1日あたり1万5700トン。ニューヨーク市民が排出する約2倍の数字だ。(Photo by Grant Heilman Photography/Alamy)



2008年、米国政府説明責任局による調査により、畜産農場から出る排泄物と広範囲の健康問題との関係に関する15の研究が明らかになった。養豚場周辺に住むことで、呼吸器の問題、下痢、思考や呼吸の障害等のリスクが高まる。ミラーは、豚の排泄物が彼女の喘息、サルコイドーシスや心臓病の原因になったと主張する。畜産農家の人々は、慢性気管支炎や抗生物質耐性ブドウ球菌感染症など、呼吸器系の病気にかかりやすいことがわかっている。

養豚場から遠く離れた場所に住む人々でも、風で飛ばされてくる排泄物が原因で健康被害を被る可能性がある。ノースカロライナ州保健福祉省の調査によると、養豚場から3マイル(約4.8キロ)以内に住むミドルスクールの学生は、喘息を患っている比率が高いことが判明している。悪臭を感じるだけでも、緊張が高まり、怒り、憂うつ、疲労を感じ、混乱をきたす。肥溜めの底から地中を通り染み出した排泄物により、地下水や周辺の井戸に大腸菌が蔓延する可能性もある。豚の排泄物と癌との関係はこれまで証明されていないが、デューク大学の研究員たちは現在、両者の関係性について幅広い研究を行っている。米国環境保護庁の元エンジニアで、現在はクラークソン大学で教授を務めるシェイン・ロジャースは、同問題についての広範囲な研究を行ってきた。「幅広い調査により、養豚場周辺の住民は健康被害を負うリスクの高い可能性があることがわかった」という。

2017年にINDYウィークでもレポートされているように、前出のような被害に対して約500人の原告から26件の訴訟が起こされている。その中にはミラーも含まれ、被害者を守るための必要な対策を怠ったとしてスミスフィールドの関連会社に対する訴えを起こした。原告の大半は有色人種だ。ノースカロライナ州立大学による2014年の研究によると、養豚関連施設の周辺に住むのは、白人よりもアフリカ系米国人やその他マイノリティの方が1.5倍多いという。ミラーの住む地区を通る田舎道沿いに住む約20人は、アフリカ系米国人またはヒスパニックだという。一方で農場の白人オーナーは、ミラー曰く、遠くに住んでいるという。「このような分布パターンは、“環境の人種差別”といえる」と同研究は結論付けている。

Translated by Smokva Tokyo

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