米国人芸術家がテキサスのメキシコ国境で記録した「現実」

モリー・クラブアップルによるイラスト(Molly Crabapple for Rolling Stone)

芸術家、執筆家、イラストレーターの顔を持つモリー・クラブアップルがテキサスを訪れ、アメリカとメキシコの国境を巡る混乱、トラウマから逃れようとする家族たちの様子を描いた。

トランプ政権による不法移民摘発の「ゼロ・トレランス(寛容ゼロ)」政策により、2300人以上の子どもたちが両親から引き離された。この状況は2018年6月20日まで続いた。翌7月、私はスケッチブックを携え、リオ・グランデ・ヴァレーに5日間滞在した。国境問題の中心地で私は、移民管理システムが元の状態に戻っているのを目撃した。ただ、家族の離別がなくなったとはいえ、無慈悲で心痛む出来事は日々起きている。子どもたちはもう母親や父親から引き離されることはなくなったが、家族は混み合った収容センター内へ一緒に閉じ込められ、打ちっ放しののコンクリートの上で眠っている。センターは“冷蔵庫”と呼ばれていた。

「私たちのプライドは傷つけられている」と、マコーレン・バスステーションでホンジュラスから来た家族の母親が語った。希望を持ちながらも疲れ切った移民たちが、トラウマになることも多い米国への入国管理手続きへ向かう。「朝は担当官が金属の手すりを棒で叩いて私たちを起こす。子どもが泣けば親が怒られる。熱を出した子は冷水に浸けられ、下着だけのほぼ裸の姿で床の上に寝かされる。泣いている子どもを見て母親も涙を流す。子どもに何か掛けてやろうとするが、担当官が許さない」

国境で拘束されてから移民たちは、税関・国境警備局、移民・関税執行局、移民審査事務局など、施設のいくつもの窓口を渡り歩く。各窓口で移民たちは手錠をかけられた上で監視され、Ahtna、Trailboss、G4Sなどの民間コントラクターによって移送される。虐待が行われている疑惑について税関・国境警備局のスポークスマンに尋ねたが、先方からのコメントは得られなかった。

各役所の窓口はメディアや外部の人たちに対し、国境を越えてくる人々を“処理”している拘留センターや法廷を安易に見せないようにしている。役所は施設を訪問するための規則に関する情報を私に開示せず、その代り施設へのアクセスのためのややこしく、しょっちゅう変わる要件を提示した。

Translated by Smokva Tokyo

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