モーゼス・サムニーが語る神秘的サウンドのルーツ、サンダーキャットとの出会い

キリスト品川教会グローリアチャペルで初来日公演を行なったモーゼス・サムニー(Photo by Kazumichi Kokei)



―あなたの曲は、よくある「A、A、B、A……」みたいなフォーマットじゃないところが面白いですよね。最初からストーリーが頭の中で出来上がっているのか、いろんな部品を組み立てているのか。

モーゼス:それは曲によって違うかな。あらゆるプロセスを試しているからね。ギターを軸にした曲、たとえばアルバムの中では「Don’t Bother Calling」「Plastic」「Indulge Me」とかは、ある程度全体像が見えてから一気にギターで作っている。もう少し複雑な構成の「Quarrel」「Lonely World」はチョップドアップして、要らないと思ったパートを削ったり、そこに後からパートを書き加えたりもしてる。あとはコンピューターでエディットしながら時間をかけて作るものもあれば、ライヴで一気に弾き語りしながら作ったものもあるかな。

―特に早くできた曲のストーリーが知りたいです。

モーゼス:早かったのは「Indulge Me」だね。LAの友人でプロデューサーのモッキーって知ってる? ファイストのアルバムをプロデュースしてたりするんだけど。

―もちろん。

モーゼス:彼のスタジオに遊びに行ったときに、彼のアルバムを聴かせてもらったなかで、すごくギターが素敵な曲があったんだ。「ああ、僕のアルバムにもギターの曲が欲しいな」と思って、帰宅して一気に30分で書き上げた。他の曲はもっと数年越しのものもあるんだけどね。



―では、特に長い年月をかけた曲は?

モーゼス:9曲目の「Doomed」かな。曲は1日でできたけど、歌詞に9ヵ月くらい。あとは、僕は書くことよりもプロダクションに時間をかけてしまうんだ。「Quarrel」なんかも歌詞は早々に出来てたんだけど、音作りのほうにこだわりすぎてしまって。完成するのに1年半くらいかかったよ。

―逆に、メロディはいくらでも出てきてしまうんですね。

モーゼス:うん、そうだね。

―それは即興的にいきなり湧いてくるもの?

モーゼス:メロディは大抵の場合、雲の上から降りてくるようなものでね。このアルバムでは、特に歌詞は時間がかかってしまった。語るべきストーリーがほしかったし、アルバムに横たわる大きなアイディアとコネクトさせたかったのもあって。歌詞はね、時々ハードなんだ。じっくり椅子に座って考えたり、場合によっては山に籠もったり(笑)。さっき話した「Indulge Me」は例外だけど。

―あなたはヴォーカリストとしても個性的ですよね。歌がすごくサウンドっぽいというか、他の楽器との混じり合い方がすごくて。言葉である以上に「音」って感じがしたんですけど、そのあたりはどうですか?

モーゼス:自分の言葉の発音や発声自体がクリアじゃないというのが理由かな、僕の声はこもってるからね。自分自身、声を楽器のひとつとして扱っているところはあって、歌が言葉として認識されなくても、その声のエモーションの部分を感じ取ってもらえるようにしたいし、それでコミュニケーションをとりたいってのは意識としてあるね。

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