モーゼス・サムニーが語る神秘的サウンドのルーツ、サンダーキャットとの出会い

キリスト品川教会グローリアチャペルで初来日公演を行なったモーゼス・サムニー(Photo by Kazumichi Kokei)

昨年発表されたデビュー作『アロマンティシズム』が世界中で絶賛された米カリフォルニア出身のシンガー・ソングライター、モーゼス・サムニー。さる6月に東京・キリスト品川教会グローリアチャペルで開催された初来日公演では、ときに自身の歌声をループさせながら幻想的なパフォーマンスを披露し、超満員のオーディエンスを魅了した。独自のサウンドはどのようにして生まれたのか。『Jazz The New Chapter』シリーズの監修で知られる柳樂光隆が本人に迫った。

─まず高校生くらいの頃って、音楽は何か勉強してましたか?

モーゼス:ノー。特にこれといった勉強はしてないんだ。ただ、高校最後の1年間だけクワイア(合唱団)に入っていた。結構大きなグループで、僕にとってはそれが最もフォーマルな音楽教育だったかな。プライベートレッスンを受けることは許されてなかったからすべて独学だよ。

―クワイアではどんな曲を?

モーゼス:古いチェンバー・ミュージックだね、ヘンデルとか。もう少し現代寄りの作曲家だとモーゼス・ホーガン。彼は1900年代の作曲家で(1957年生まれ、2003年死去)、クワイアのためのモダンな合唱曲を作っている。あとはサミュエル・バーバーもだね。


モーゼス・ホーガン「We Shall Walk Through the Valley in Peace」

―そのあとも音楽教育は特に受けてない?

モーゼス:全然。今、君にコードのことなんて聞かれても僕はわからないよ(笑)。ギターを演奏する時も、耳で聴いて、それを元に弾いてるだけなんだ。

―では、どういう風に作曲をしてるんですか? 譜面やコード譜を用意するわけじゃないんですよね。

モーゼス:楽譜を書くことも読むこともできないけど、歌詞は僕にも書けるからね。音楽はキーボードやギターを弾きながら作っているよ。他のミュージシャンとはこうやって、「フゥーーウーーーウウゥーーウーー」って(メロディを)歌で伝えて意思疎通しているんだ。

―頭の中で作ったものを歌や楽器で出力しているってこと?

モーゼス:そのとおり。僕の音楽のほとんどは頭の中に入ってるんだ。

―譜面にしない代わりにiPhoneのメモに入れたりもする?

モーゼス:そうだね。僕のiPhoneには800くらいのアイデアが入ってるよ(笑)。

―それってどういうアイディア?

モーゼス:ほとんどの場合がメロディだね。(曲作りでは)いつもメロディが先なんだ。だいたいメロディが出来たあとに歌詞が出てくる。たまに一緒に出てくることもあるけど、そのあとにコンセプトや言葉を考えていくんだ。

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