『ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ』(1978)
ホットなホーンセクションがある『ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ』は、ビートルズ・ソングのなかでもファンキーな1曲としてすでに知られていた。アース・ウィンド&ファイアーはこの曲を、ザ・ビー・ジーズとピーター・フランプトンが出演した1978年の映画『サージャント・ペッパー』に向けてカバー。これがぴたりとハマった。映画自体はそれほど印象に残らなかったが、残念そうなバリー・ギブは後にローリングストーン誌に「素晴らしかったのは、アース・ウィンド&ファイアーみたいな人たちが出ていることだ。こんな映画に彼らが出るとは夢にも思わないだろう」と語った。しかし、人気絶頂だったアース・ウィンド&ファイアーがこの年、初のベストアルバムをリリースしたことから、カバー曲はシングルリリースされた。こうして、アース・ウィンド&ファイアーの軽快なグルーヴは、ビートルズのアルバム『リボルバー』に収録されたバージョンと同様、またはそれ以上に幅広い世代のファンに愛されることを証明したのである。


『セプテンバー』(1978)
1978年に、アース・ウィンド&ファイアーはコロムビア・レコードと新契約を結んだことをきっかけに、自主レーベルARCを立ち上げた。そこから生まれた最初の作品が、『ベスト・オブ・EW & F Vol.1』とR&Bチャートでトップに輝いたニューシングル『セプテンバー』だ。『セプテンバー』は、喜びに満ちた楽観的なソウルアンセムを書くことが出来る、ホワイトの才能を証明した。曲の中心にあるのは昂揚するフェニックス・ホーンズとフィリップ・ベイリーのファルセットのボーカルで、「バウ・ディ・ウ・ディ・ウ・ディ」のリフで締めくくられる。ドゥーワップ時代を振り返る意味が込められており、ホワイトは1979年にビルボード誌に「プロデュースにおける僕の基本は、アメリカのルーツに目配せすることで、それはつまりドゥーワップ・ミュージックなんだ」と語った。

Translation by Sayaka Honma

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE