『シャイニング・スター』(1975)
1975年はアース・ウィンド&ファイアーがポップ界に名を刻んだ年だ。それは、チャートのトップに輝いたこの晴れやかな楽曲に寄るところが大きい。『シャイニング・スター』はパーティみたいな曲で、多くのサウンドトラックとして使われた。とても活力が漲ってくる前向きソングで、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの『エブリバディ・イズ・ア・スター』に通じるものがある。クリーンで明るくて派手なグルーヴは、ホワイトの制作した傑作のなかでも際立つ存在だ。2000年にアース・ウィンド&ファイアーがロックの殿堂入りを果たした際、ホワイトは『シャイニング・スター』をキャリアのターニングポイントになった重要な曲だと振り返った。「『暗黒への挑戦』はなかなか火がつかなかった」と、彼は6枚目のスタジオアルバムについてこう語っている。「これはヒットは無理だろうと僕たちは思った。それが『シャイニング・スター』をリリースしたところチャートのトップになり、アルバムが救われたんだ」


ラムゼイ・ルイス『太陽の女神』(1975)
1960年代後半から70年代はじめ、モーリス・ホワイトはアース・ウィンド&ファイアーがメインになりつつあったが、それでも多くのグループとコラボレートした。その1つが、人気ジャズピアニストのラムゼイ・ルイスがバックを務めていたバンドだ。よって、ルイスとアース・ウィンド&ファイアーが出会い、きらめくような『太陽の女神』が生まれたのもうなづける。この1974年のシングルは、軽快なハーモニーと熟したブラス楽器音、ディープでうやうやしいアンダートーンで構成されたグルーヴィーでファンキーな楽曲だ。いちバンドメンバーで、スタジオミュージシャンだったホワイトが、唯一無二のバンドリーダーとして脚光を浴びた、その美しい変化を象徴する曲だった。

Translation by Sayaka Honma

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