アジカン後藤正文のサマーソニック談義2024 フェスの見どころ&注目アクトを語る

後藤正文、サマーソニック (c)SUMMER SONIC All Rights Reserved.

 
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)がホストを務めるSpotifyのポッドキャスト番組『APPLE VINEGAR -Music+Talk-』では、つやちゃん、矢島由佳子、小熊俊哉(本誌編集)というレギュラー陣に、ときにはゲストも交えながら、ユニークな視点で音楽トピックや楽曲を紹介している。今年も同番組との連動企画で、2大洋楽フェスをテーマに音楽談義。注目すべき出演アーティストなどについて4人で語り合った。こちらはサマーソニック編。

※本記事のポッドキャストは今年5月中旬に収録



後藤:サマソニは僕も思い出がいっぱいあります。いちばん記憶に残っているのはレディオヘッドかな。久しぶりに「Creep」をやったとき(2003年)。みんなは去年も行ったんだよね?

矢島:去年はSpotify RADAR: Early Noise Stageのライブレポを書く仕事もあったんですけど、NewJeans、ブラー、リアム・ギャラガー、ケンドリック・ラマーなど、色々観ることができました。星野源さんがキュレーションした「so sad so happy」も良かったな。UMIさんのライブに感動して、後日に本誌WEBでインタビューさせてもらいました。取材現場でも、ライブと同じようにハッピーでピースフルなヴァイブスが流れていて、めちゃくちゃ癒しとパワーをもらったなあ。



後藤:去年は熱中症になった人が多くて、大変だったようですね。

矢島:ZOZOマリンスタジアムが暑すぎたうえ、アリーナは日陰もないので大変なことになってましたね。

小熊:そんなこともあったので、スタジアムの人工芝保全のために糖分を含む飲料の持ち込みは禁止だったんですけど、今の時代にそぐわないでしょうと話し合い、今年からスポーツドリンクもOKになったそうです

矢島:すぐに改善するのはさすがですね。私は昨年、暑さでバテていたときにKIYOSHI'S KITCHEN(アジカンの伊地知潔がプロデュース)のカレーとステーキを食べて、元気を取り戻しました(笑)。

後藤:今、日本でいちばんフェスに出てるのはあいつなんじゃないかな。どのフェスにも出店してるよね。俺がここで言っておきたいのは、バンドの名前を使っていながら、KIYOSHI'S KITCHENの売上はメンバーに一銭も入ってこないってこと(笑)。あいつがカレーのことを考えてるあいだに、俺はアジカンの新曲を作ってるわけですよ。作曲印税はちゃんと4等分してるのに!

矢島:カレー印税はないんですね(笑)。


KIYOSHI'S KITECHENは今年も「メッセ オフィシャル食堂エリア」に出店(サマソニ公式ホームページより引用)


後藤:そんな話はさておき、マネスキンとブリング・ミー・ザ・ホライズン(以下、BMTH)という今年のヘッドライナーについてはどう見ていますか?

小熊:どちらも日本のオーディエンスを大切に思い、みずからそこに溶け込もうとしているバンドですよね。マネスキンは一昨年のサマソニからクイーンみたいな日本独自の物語が始まり、BMTHは自分たちのフェス「NEX_FEST」を日本で開催したばかり。そういうドラマを経て、関係性を築き上げたうえでのヘッドライナーというのは胸が熱くなります。




つや:ただ、マネスキンは幅広い層に届いている印象がある一方で、BMTHはまだヘヴィ・ミュージックを好きなリスナー以外にはさほど聴かれていない感覚もあって。今回のサマソニをきっかけに、ジャンル外のリスナーも魅力を知ってくれたらいいなと思っています。ライブの演出も凝っているんですよね。もともとBMTHの音楽自体がバーチャルな要素を取り入れながら世界観を作っているし、演出面でもビックリさせてくれるステージになりそうな気がします。それに近年はそうでもなかったですけど、もともとサマソニってリンキン・パークやメタリカからグリーン・デイやマイ・ケミカル・ロマンスまで、ラウド・ロックと言われるバンドを多く出演させてきた歴史があるわけですよね。今年はそっちの色が強いので、2000年代のサマソニが帰ってきたような感覚がある。懐かしいし、楽しみです。

小熊:今年も出演するフーバスタンクみたいなバンドをずっと大切にしてきたというか。

つや:そうそう、ラウドで元気なサマソニ。そこから回を重ねるごとに、徐々にポップ・ミュージックど真ん中なラインナップへと移行してきたわけですけど。

後藤:今年もクリスティーナ・アギレラが出るしね。こういう人も呼んでくれるのがサマソニだと思うし、そこも都市型っぽくていいなと。



RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE