PANTA追悼、TOSHIとディレクターが語る頭脳警察の新作アルバム『東京オオカミ』

万物流転 / 頭脳警察



田家:16年振りの再結成の曲でしたね。このときのことというのは?

TOSHI:時間的に言うととても贅沢にビクターのスタジオを使わせてもらえていて、その中でもこの「万物流転」の録音がPANTAのイメージする音がなかなか作れなくて。相当何度も何度も作っては壊して、作っては壊してという難産な曲だったので印象ありますね。

田家:どこに一番こだわったという。

TOSHI:PANTAが巨大なイメージを言うんですけどね。ヒマラヤの山の上に雲があって、雲から何かが降りてきて、それを音にとかって(笑)。

田家:再結成のときにはPANTAさんの中でやりたいことがあったんでしょうね。田原さんは頭脳警察をやるタイミングみたいなものはどんなふうにご覧になっていたんですか?

田原:自分はこの10年になるのであれなんですけれども、PANTAさんは頭脳警察をやることに対して、自分の中で物語が1つあったんだと思うんですよ。だから、このときもこのときでPANTAさんは自分の中の物語がちゃんとあって、それを表現する音楽がきちんとあったんだと思いますね。

田家:このときは1年だけの限定で、2008年からはほぼ定期的に活動している。

TOSHI: 50周年に向けてなのかな。向けてっていう意識はしなかったんですけどね。

田家:バンドは終わらないんだという、それはTOSHIさんの中にもずっとあった?

TOSHI:頭脳警察という看板を汚したくなかったというかな。今でもそうですけどね。

田家:この話はあらためてこの曲の後にお訊きしようと思います。今日最後の曲、アルバム『東京オオカミ』の最後の曲「絶景かな」です。

絶景かな / 頭脳警察

田家:TOSHIさんは頭脳警察は続けると宣言されておりました。

TOSHI:PANTAの一周忌も終わってないので、今のメンバーともまだちょっとやりたいしという気持ちもあるので、どういう形になるかはわかりませんが、ちょこっとはやっていこうかなとは思っております。

田家:最終週に今のメンバーの方にいろいろお話を伺おうと思うのですが、田原さんはそこにも大きく関わってらっしゃるんですよね。

田原:そうですね。PANTAさんから託されたものがたくさんありますし、さっきTOSHIさんがおっしゃったみたいにノート、まだ歌詞もたくさんあるし、遺品整理をする中でPANTAさんが録音してそのままになっているテープとか楽曲もたくさんあるんですね。ほぼ完成した楽曲もあって、それは何か今年すぐになにかの形にしようとは思っています。頭脳警察というものはまだまだいろいろな形、いろいろなものに姿を変えて、きちんと残せるものを残しながら活動していくような方向でTOSHIさんや若いメンバーと協力してやっていきたいなと思っております。

田家:なるほど。頭脳警察は死なない。ありがとうございました。

TOSHI:ありがとうございました。

Rolling Stone Japan 編集部

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