「キスゲームを強要」「若い女が好き」...元米大統領、英王子の性的嗜好が裁判資料で明るみに

無修正で公開された裁判資料第1弾にはビル・クリントン元大統領、故ジェフリー・エプスタイン、アンドルー王子の名前も(MICHAEL KOVAC/GETTY IMAGES; RICK FRIEDMAN/CORBIS/GETTY IMAGES; DANNY LAWSON - WPA POOL/GETTY IMAGES)

これまで非公開だった故ジェフリー・エプスタイン関連の裁判記録のうち、数百ページ分が先日一般公開された。ビル・クリントン米・元大統領からアンドルー王子など、世界有数の大富豪や実力者を友にもち、性的人身売買で起訴された故人について、これまで知らなかった事実が明らかになった。

【写真】エプスタインの少女調達役だった元恋人

裁判文書は今月3日まで伏字にされていたが、これ以上非公開にしておくべきではない、と昨年12月に判事が裁定を下したため一般公開された。もともとは、エプスタインを告発したヴァージニア・ジュフリーさんが2015年にギレーヌ・マックスウェルを民事訴訟で訴えた時の文書だ(マックスウェルは2022年に性的人身売買で有罪となり、現在は控訴手続きを進める一方で懲役20年の刑に服している。エプスタインは懲役45年を求刑されていたが、2019年8月に勾留されていたマンハッタン刑務所の独房で首を吊っているのが発見され、自殺と断定された)。

12月の裁定後、公開文書の内容について多くの憶測が飛び交った――大半の人物はすでに報道済みだが、いくつか穏やかならぬ新たな疑惑も明らかになった。以下、公開文書でわかった衝撃の新情報を見ていこう。

エプスタインは10代の少女に、家出して一緒に暮らそうと持ちかけた

4日に公開された資料には、15~17歳ごろにエプスタインから性的暴行を受けたという匿名告発者の宣誓陳述書も含まれていた。ある時エプスタインは、未成年だった告発者に一緒に暮らそうと打診された。「私を家出させたがっていました」。

暴行は――その他大勢の告発女性が同様の証言をしている――マッサージという体で始まった。初めて会った時、エプスタインは「(私の)同意なく、(私の)服を脱がせました」と告発女性は語っている。「ただそこにいただけなのに、突然恐ろしい目に遭いました」。

マックスウェルの弁護士は、ジャーナリストが自叙伝を売りたいがためにジュフリーさんに売春について嘘をつくようそそのかしたと非難

マックスウェルは自分とエプスタインにかけられた容疑を否認し、再三にわたってジュフリーさんを中傷した。宣誓陳述書でもジュフリーさんを「完全な嘘つき」「大げさに誇張する空想家で、正真正銘の悪人」呼ばわりしている。

4日に公開された資料によると、マックスウェルの弁護団はジュフリーさんの記事をデイリー・メイル紙に掲載したジャーナリスト、シャロン・チャーチャー氏の証人喚問を申し立てた。チャーチャー氏は携わっていた自叙伝の売り上げを伸ばすために、ジュフリーさんが暴行疑惑を大げさに騒ぎ立てる、または捏造するのを手伝った、と弁護団は主張した。「チャーチャー氏は疑惑が嘘だと知っていただけでなく、原告に手を貸して話をでっち上げた」と弁護団は主張している。

Akiko Kato

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