性犯罪者エプスタインが自殺直前、米体操女子に性的虐待していた医師に手紙を送っていた

2004年当時のジェフリー・エプスタイン被告(RICK FRIEDMAN/CORBIS/GETTY IMAGES)

未成年の少女らを性的人身取引したとして起訴された後、勾留中に自殺をはかって死亡した米富豪のジェフリー・エプスタイン。エプスタイン被告は自殺直前の数日間、性的暴行を自供した体操医師のラリー・ナサール被告と連絡を取ろうとしていた。AP通信が報じている。

【写真】エプスタインの少女調達役だった元恋人

エプスタイン被告がナサール被告に手紙を送ろうとしたという内容は、AP通信が入手した一連の文書で言及されていた。この文書は、エプスタイン被告が性的人身売買連邦犯罪で逮捕されてから2019年8月10日に自殺するまで、獄中で過ごした36日間の全容を伝える資料のひとつ。

エプスタイン被告はナサール被告に手紙で接触を図ったようだが、手紙が相手に届くことはなかった。ナサール被告は体操のアメリカ代表選手団とミシガン州立大学のチームドクターを務めていた時期、治療と称して300人近い選手に性的暴行を働き、2017年に有罪を認めた。

ナサール被告に宛てたエプスタイン被告の手紙は差出人に返送され、エプスタイン被告の死から数週後、ニューヨーク市メトロポリタン矯正センターの郵便ルームの床に落ちているのが発見された。手紙の内容は明らかにされていないが、捜査官が刑務所職員に宛てたメールでこう言及されている。

「どうやら彼が送った手紙が返送されていたようだ。開封するべきだろうか、それとも誰かに手渡すべきだろうか?」

ナサール被告宛の手紙以外にも、新たな文書――情報自由法経由で連邦刑務所局より入手――にはエプスタイン被告の最期の言動がちらほら記載されている。例を挙げると、被告は標準的なオレンジ色の囚人服を嫌っていたらしく、弁護士との面会では茶色の囚人服を要求していた。刑務所の生活に適応しようとする自分を「腰抜け」と呼ぶ一方、素行の良さを理由に、自分は「悪人」ではないと強調した。また自殺の2日前には、売店でラジオとヘッドフォンを73ドル85セントで購入している。死亡当時、預金残高は566ドルだった。

Akiko Kato

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