未成年売春容疑のエプスタインの死後、初の公聴会で被害者女性たちが体験談を告白

公聴会の後、2人の依頼人とともにマンハッタンの裁判所前で会見に臨むグロリア・オルレッド弁護士 Bebeto Matthews/AP/Shutterstock

性的人身売買および共謀の容疑がかけられていた億万長者の米投資家、ジェフリー・エプスタイン。起訴後勾留中の独房で首を吊って死亡し、大勢の被害者たちが怒りに震えた。真実が明かされる前に終焉を迎えると思われていたが、刑事起訴取り下げの公聴会が開かれたことにより、被害者たちが体験談を語れる最後の機会が設けられた。

2週間前、堕ちた金融家ジェフリー・エプスタイン被告が66歳で死んだと報じられた後、大勢の被害者が怒りに震えた。正義を追及することも、法廷で真実を明るみにすることもできなくなってしまったからだ。

だが火曜日、アメリカ連邦地方裁判所のリチャード・バーマン判事は、故エプスタイン被告に対する刑事起訴取り下げの公聴会を開くことを決定した。そうすることで、十数人の女性たちが法廷で自分たちの体験談を語るという、おそらく最後のチャンスを与えたのだ。

「非常に憤りを感じていますし、残念です。この事件では正義は果たされませんでした」と言うのは、まだ14歳のころエプスタイン被告から性的虐待を受けたと主張するコートニー・ワイルド氏。以前マイアミヘラルド紙にもエプスタイン被告から受けた虐待について暴露した彼女は、火曜日の公聴会で最初に証言した。ワイルド氏はエプスタイン被告を「臆病者」と呼び、彼の死は、正義を追求するチャンスを「自分も含めその他被害者から奪った」と言った。

合計12人の女性が法廷で口を開いたが、大半は匿名、あるいは“ジェーン・ドウ”という仮名で証言した。全員が、ようやく裁きの場でエプスタイン被告と対面できるかと思いきや、彼の死でそのチャンスが奪われたことに怒りを表した。そのうちの1人は、被告の死は「また新たなトラウマになりそうだ」と言った。

メトロポリタン矯正センター(MCC)でのエプスタイン被告の死について、捜査官は明らかな自殺だと断定したが、彼に対する性的目的での人身売買罪および共謀罪は取り下げられることになる。だが事件に対する世間の関心の高さを考慮して、バーマン判事は検察の起訴取り下げの前に公聴会を開くという、異例の判断をくだした。「自分に不利な判決が下される前に被告が亡くなったとはいえ、公衆はいまもなお、検察の起訴取り下げ手続きに関心を抱いているであろうと裁判所は考えます」と、バーマン判事は8月21日の裁定でこう述べた。

Translated by Akiko Kato

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