NCT 127が語る、唯一無二の「オールラウンドなユニット」である理由

NCT 127(©SM ENTERTAINMENT)

9人のメンバーからなるNCT 127(エヌシーティーイリチル)は、K-POP史上もっとも革新的なプロジェクトのひとつとして独自路線を歩み続けてきた。そんな彼らの艶やかでパワフルなサウンドがいままで以上に詰め込まれたニューアルバム『Fact Check』が先月10月にリリースされた。

9月某日、ビデオ通話アプリを介して行われた本誌のインタビューのために集まったNCT 127のメンバーは、世界中のどこにでもありそうな色とりどりのプラスチック製のオフィス用の椅子に座っていた。髪はセットされておらず、メイクもしていない。白いTシャツやデニムのオーバーサイズシャツ、ジーンズ、ゆったりとしたパンツなど、それぞれがオフの日を想起させるカジュアルな格好をしている。リーダーのTaeyong(テヨン)をはじめ、メンバーのJaehyun(ジェヒョン)、Haechan(ヘチャン)、Doyoung(ドヨン)、Mark(マーク)、Johnny(ジャニー)、Jungwoo(ジョンウ)、Yuta(ユウタ)は、椅子の上で常に体を動かしている(Taeil[テイル]は健康上の理由により欠席)。椅子の背にもたれたかと思うと、姿勢を正したり、椅子の上で前後に体を傾けたり。あるときは、相手の顔を見るために体をねじったり、手と足を組んでは、それを解いたり。どうやら、無意識のうちに互いの座り方や表情を真似しているようだ。

Jaehyun(アメリカ出身のJohnnyとカナダ出身のMarkに加えて、英語が堪能である)は、過去の楽曲のリハーサルのためにメンバーが集まったときのエピソードを語ってくれた。Jaehyun曰く、全員がパフォーマンスの詳細を忘れてしまっていたのだ。そこで彼らはYouTubeで過去の動画をチェックした。それを機に、思い出話の底なし沼にハマっていったという。「Limitless」(2017年)や「Chain」(2018年)といったMVのヘアスタイルや衣装などの話に花が咲いた。「Chain」と聞いて最年少メンバーのHaechan(23歳)が、撮影現場で電動ドリルや火炎放射器、チェーンソーと格闘したときのことを語った。「撮影当時のおもしろエピソードがたくさんあります」と、同じように楽しげな表情を浮かべるメンバーたちのほうを見ながら言う。「撮影現場では、本当によく笑いました」





NCTは、現在20名のメンバーからなる韓国発の多国籍・大型ボーイズグループである。このグループは、NCT UやNCT DREAM、WayVといった複数の“ユニット”で構成されている。そのなかでも、音楽という点でもっとも実験的なのがNCT 127と言っても過言ではないだろう。NCTの特徴としては、各ユニットのメンバーが固定されておらず、それぞれのメンバーが楽曲のコンセプトに合わせて流動的に出入りする点にある。ユニットには期間限定のものもあれば、長期的なものもある。こうしたコンセプトによってNCTは、よりエキサイティング(見方によっては、複雑)であると同時に、進化し続けるクリエイティブなプロジェクトを世に送り出しているのだ。そんなNCTのユニットのひとつであるNCT 127がデビューしたのは2016年のこと。練習生時代を足すと、メンバーたちは10年以上の歳月を共にしたことになる。

Translated by Shoko Natori

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