シンガーソングライター・ずみをが語る、上京して騙されたこと 身の回りのことを歌う理由

―「初恋チャーハン」はどんなときに出来た曲なんですか。

ずみを:きっかけは、家でギターを何となく弾いているときに、そのときに弾いていたコードが曲になりそうだなと思って作りました。



―アルバムは全曲弾き語りでしたけど、連続配信リリースの2曲はバンドサウンドですよね。

ずみを:ずっとバンドをやってみたかったんです。弾き語りでずっとやってきたんですけど、やっぱり自分1人なので自由度はかなりあるんですけど、バンドでやってみると、みんなで音合わせたときの楽しさっていうのは弾き語りでは味わえないものがあるなと思って。それでちょっとやってみようと思って去年ぐらいから、ライブハウスの人にミュージシャンを紹介してもらったりとか、徐々に知り合いの知り合いとか探して、参加してもらいました。

―「初恋チャーハン」は、すごく温かい印象で聴き心地の良い音、演奏だと思います。ずみをさんの理想のバンドサウンドって言葉にするとどんな感じですか?

ずみを:やっぱり弾き語りがベースにあるので、アコースティックな感じにはしたくて。あまりシンセとか音を重ねすぎたくはないです。生楽器、アコースティック楽器をベースにして、やっぱり歌を聴いて欲しいので、そこがあまり隠れないように、歌に寄り添う感じのシンプルな編成がいいなっていうのは考えています。



―「UBのワンルーム」は「初恋チャーハン」と連作になっている印象を受けました。

ずみを:いや、そういうつもりはなかったんですけど、リリースするタイミングが何かそうな感じになってしまったんです。「UBのワンルーム」は、ちょうど秋に差し掛かるときに急に寒くなった日の朝、駅に行ったときにコンビニからホットコーヒーを買って出てきた人がいたんですよ。それを見て「秋だな」と思って、そこから作って行きました。本当に日常から曲を作ることが多いですね。

―日常から曲を作るということは、ありきたりなことを歌うということにも繋がるように思えるんですが、そこはどう考えていますか。

ずみを:「ありきたり」と、「人の評価を得る」ってすごく紙一重というか、同じように見えて、多分違うと思うんですよね。ありきたりな言葉を使わずに、誰でも感じたことがあるような感じを思い起こさせるような曲を作りたいんです。「UBのワンルーム」だったら、「ホットコーヒー」とか「ジャンプ」とかっていう単語が出てくるんですけど、そういう固有名詞に限定することで、「あ、私にもある」みたいな、その人の思い出を思い出させるようなことをしたいなって考えています。

Rolling Stone Japan 編集部

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