BE:FIRSTが語る「Mainstream」の真意、さらなる深みを手にした7人

ライブで説得力が出せる曲

—SOTAさんはこれまでの取材でもウータン・クラウン、2PAC、ドクター・ドレー、ミーゴスとかがルーツにあることを話してくれましたけど、90年代、00年代のヒップホップを今のグローバルミュージックに落とし込むということですよね。

SOTA:そうですね。当時は今みたいにiPhoneで調べたらすぐ出てくるような時代じゃなかったし、Shazamとかもないし。僕はダンスの先生にCDをもらったりしていたんですけど、「近づけば気に入るけど、近づくまでに至らない」というもったいなさがあった年代だと思うので。それをストリーミング時代に僕たちがわかりやすく現行混じりで表現することが、憧れていた人たちへの敬意にもなるし、バトンを繋ぐことにもなるし。何より日本に音楽カルチャーが広まるきっかけになるなって感じています。

―RYOKIさん、今頷いていましたけど、どんなことを思って「表題曲はこれだよね」ってなったのでしょう。「SOS」「Grow Up」もかっこいい曲ですけど、やっぱり「Mainstream」を表題曲にしたというところが重要ですよね。

RYOKI:音楽的なところは今SOTAが言ってくれた通りなんですけど、それと同時に、僕たちが主流を作るということと、BE:FIRSTというグループで俺ら7人が揃ったからやることの意味が、すごく大事だなと思って。この「Mainstream」は他の人たちがパフォーマンスしても伝わらない、響かない部分があると思っていて。僕たちだから説得力を持ってパフォーマンスできる瞬間がライブで出てくると思うんですよね。僕たちのデビュー曲の「Gifted.」もある意味そうだったと思うんですけど、「あ、これはライブでかなり説得力が出る楽曲だな」って。僕たちBE:FIRSTの次の革命を、今までの楽曲を引き連れた上でこそ起こせるとも思うんですよ。僕たち7人のアーティストを理解してもらったり、僕たちの存在意義を認知してもらう期間があったあとに「Mainstream」が説得力となる楽曲になるなと思ったし。この曲は僕たちがパフォーマンスする上で最上級のかっこよさを出せたらいいという話もしていますけど、最終的には受け取り側次第でもあると思うし、どう受け取られるのかはまだわからない。でも正直、ライブでわかるんじゃないかなと僕は思ってますね。あと、のちに海外の人がBE:FIRSTのヒストリーを掘ったときに、「『Mainstream』っていう楽曲からまた変わったんだよ」ってなるんじゃないかなと思います。特に歌詞を見られたときに、英語と日本語がいいバランスになっているんじゃないかと思いますね。同じメロディラインで英詞と日本詞で同じ意味が出てきたり、ラップの英語の部分が普通にあったり。あくまでナチュラルさを保ちながら、日本語から英語にいきなり切り替わったりするものはなかなかないと思うんですよね。

―この夏も『SUMMER SONIC』『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』、その前は『JAPAN JAM』と、いろんな大きいステージで他の出演者たちと並ぶBE:FIRSTを見てきましたけど、やっぱりBE:FIRSTの音楽の強さは7人の意思がしっかり歌に乗っていることだと思ったんですよね。作りあげた世界観で演じるグループでもないし、ただ歌やパフォーマンスが上手なグループでもない。それぞれの性格や価値観が、それぞれが担当するパートに素直に乗っているから人間的なエネルギーが音に宿って、それが7種類合わさることで莫大なエネルギーをまとった音楽となり多くの人を感動させている。だからRYOKIさんの話を聞いて、これまでもそうだったけど、音に意思を乗せて説得力を持たせることをここからより強くしていくのだろうなと思いました。

LEO:今までの曲も自分たちにとって大切なものばかりですけど、今回特に自分の中で大事にしていたのが「納得する」ということで。「自分たちがこれをやっていたい」とか、「やってよかった」って思えるように、ということを心がけてました。「Mainstream」は、プラスな意見もあれば、「攻めてるね」「今これやるんだ」「なんでこういうのやったの?」というようなネガティブな意見も絶対に出てくると思うんですよ。そのときに、結果がどうあれ、自分たちが納得してることが一番大事だと思って。誰かの正解のために音楽をやってないということも明確に見えるし、それこそさっき言ってくれた意思みたいなものがちゃんと見える気がして。だからこそ、第二章のスタートというテーマにふさわしいのかなと思ってますね。(隣にいるMANATOを見ながら)どう思いますか?

MANATO:いろんなイベントとかフェスに出させてもらって感じることは、自分が聴いたことない音楽でもライブを見て「かっこいいな」と思うものには、何か突き詰めているものがあるということで。今回のシングルで伝えたいジャンルがもうちょっと広まってほしいなという想いがあるんですけど、時代的にも受け入れられやすくなってきているのかなとも思っていて。日本から世界に行く音楽とか、海外のフェスに呼ばれる日本のバンドって、日本のアニメ文化に紐づいてる音楽とかロック系が多いと感じていたんですけど、海外のフェスを見に行ったり出たりしている友達から「日本人のR&Bとかヒップホップの枠が空いてる」という話を聞いて。しかもボーイズグループとなればさらにいない。海外のチャートには今R&Bとかヒップホップのシンガーやラッパーが多い中で、そういうアジア圏のボーイズグループの枠がまだあるというふうに感じたらしくて。なぜ僕たちがこのタイミングだったのかというと……各々の経験がまだ深いわけじゃないときにBE:FIRSTになって、実際にこの業界に入ってみないとわからないことも経験して。それに去年のリリースでBE:FIRSTの曲を聴いてくれる人口が増えたと思うんですよ。だからこそ、個人個人が当初からやりたいと思っていたことをようやく話せて、チームの意思にもなって、世に出せた。クリエイトの現場を重ねる中で自分たちのクオリティも高められて、やっと表現・体現できる技術をもった状態で、自分の好きなものを出せたら最高なんじゃないかなと。

—自分たちでリリックを書いたり、それこそMANATOさんだったらShowMinorSavageでゼロから曲を作ったり、歌唱やパフォーマンスの面だけでなくクリエイトにコミットしていける力を高めてきたからこそ、この「Mainstream」があるんですね。

MANATO:おっしゃる通りです。



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