BIGYUKIが明かす、海外の超一流が集う場でグラスパーやメルドーから学んだこと

 
BTSも支える、韓国の新世代ジャズシーン

―そういうブルーノート・クルーズみたいな場所に、日本人のミュージシャンが当たり前のように参加しているのはやっぱり衝撃的ですよ。

BIGYUKI:あそこにいた日本人は俺だけだから、自覚は出ますよね。もちろん、今のシーンにアジア人が増えてきてるのはありますけど。リンダ・メイ・ハン・オーとかね。ヴィジェイ・アイヤーのバンドで見たんですが、彼女のベースはすごくかっこよかった。



―ベーシストだと、ジョエル・ロスのバンドで弾いてるカノア・メイデンホールもいますしね。

BIGYUKI:彼女も最近、よく見かけますね。ドラムのJK Kim知ってます? 彼から誘われて、(NYの)Jazz Galleryで一緒にやったことがあるんですけど、最近は韓国のミュージシャンもすごくいいんですよ。


JK Kim、ジュリアス・ロドリゲスのバンドで演奏(2018年)

―JK Kimはジュリアス・ロドリゲス周辺の近年盛り上がってる若手のコミュニティで名前を見ます。そういった韓国のトップランナーからもお呼びがかかるんですね。

BIGYUKI:ありがたいことに。俺の世代だとドラムのSangmin Leeが若い頃からNYの表舞台で活動していたんですけど、彼が韓国に帰った今、NYでやりたかったことを引き継いだのがJKかもしれないですね。去年、ホセ・ジェイムズのバンドでソウル・ジャズ・フェスに出たときSangminと会って、久しぶりに遊んだんですよ。そのときに彼が人を集めてくれて、ジャムセッションをやったんです。その場にいた韓国の若手のミュージシャンがすごかったんですよ。

―へえ!

BIGYUKI:特にベースのJaeshin Parkが素晴らしくて。彼はBTSのRMが「Tiny Desk」に出たときも演奏しています。そのときのドラムはJK Kimで、キーボードは俺とバークリー時代から一緒だったDOCSKIMでした。

DOCSKIMはブラックミュージックが好きで、ゴスペルやヒップホップのフィールも体得しているしセンスもいい。今、DOCSKIMはBTS周りのアレンジを手がけたり、ツアーバンドに参加したりしてるんですけど、その周りに韓国のいい若手ミュージシャンが集まっている。JKやJaeshin Parkが正にそれですね。さっき話したジャムセッションはグルーヴ系だったんですけど、Jaeshinはそのときピノ・パラディーノみたいなベース弾いていました。その後、アルバムを渡されたので聴いてみたら、かなりエグいことをやっていて驚きましたね。彼やJKは芯のあるリズム感を持っている。韓国でも新しい世代が出てきているんだなと思いました。




―JK Kimはヴォーグ・コリアでも去年取り上げられてましたよね。韓国でも若手のジャズミュージシャンが注目され始めている。

BIGYUKI:韓国ではメインストリームのポップスと楽器奏者の距離が近くなってきていて、その一端を担っているのがDOCSKIM。彼らは演奏するのも好きだしうまいんですけど、メインストリームのプロダクションも好きだし、そこにもこだわりを持っている。DOCSKIMが若いミュージシャンを引っ張っていて、「Tiny Desk」もDOCSKIMがミュージシャンを集めている。JK Kimは普段、NYでコンテンポラリージャズをやってるんだけど、そういうミュージシャンも引っ張ってくる。韓国はそういう感じでハイブリッドなミュージシャンが増えてきているみたいですね。



―最後に、今回のジャパンツアーは久々にバンドセットでの登場となります。どんなパフォーマンスが期待できそうでしょうか?

BIGYUKI:2021年に出した『Neon Chapter』の曲をやります。あと、今は完ぺきにアレンジを決めて、完成されたものがやりたいというよりも、純粋に演奏したいという気持ちが高まっているので、自分が演奏して正しいと思えることがやりたいですね。その「熱」みたいなものが伝わるようなライブになるんじゃないかと思います。

だから、粗削りなライブになるかもしれないですね。これまではビートやトラックの制作をもっとやりたいと考えてたし、『Neon Chapter』はそういうアルバムだった。でも、音楽的に触発されてからは、とにかく演奏がしたくなっている。言いたいことがあるとすれば「演奏させてください!」ってことですね。






Photo by OGATA

BIGYUKI Japan Tour 2023 “NEON CHAPTER”
【出演】
BIGYUKI (Keys, Synth Bass)
Randy Runyon (Gt)
Jharis Yokley (Drums)
チケット予約:https://bigyuki.lnk.to/JapanTour2023_NC

2023年3月15日(水)Billboard Live OSAKA
時間:[1st] OPEN 17:00 / START 18:00 [2nd] OPEN 20:00 / START 21:00
料金:サービスエリア ¥7,500 / カジュアルエリア ¥7,000
詳細:http://www.billboard-live.com/pg/shop/index.php?mode=top&shop=2

2023年3月17日(金)東京・OPRCT
時間:OPEN 18:30 / START 19:30
料金:[前売り] 6,000円 [当日券] 6,500円(ドリンク代別)
詳細:https://www.oprct.com/event-calendar/2023/03/17/bigyuki-neonchapter-oprct

2023年3月18日(土)Blue Note Tokyo
時間:[1st] OPEN 16:00 / START 17:00 [2nd] OPEN 19:00 / START 20:00
料金:¥8,000
詳細:https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/bigyuki/

ツアー詳細:https://sweetsoulrecords.com/news/2023/01/bigyukijapantour2023/

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