ワープド・ツアーの思い出
―好きなフェスはありますか?
デリック PUNKSPRINGはいつだって最高だね。SUMMER SONICも最高だ。レディング&リーズ・フェスティバルも素晴らしいし、ダウンロード・フェスティバルも素晴らしい。良いフェスはたくさんあるから、選ぶのは難しいな。
―ワープド・ツアーはどうですか? 1996年のワープド・ツアーを観て、SUM 41を結成しようと思ったんですよね?
デリック 間違いないね。ワープド・ツアーは、今僕たちがこうやってバンドをやれてる最大の理由の一つになるから。
―1996年のワープド・ツアーは覚えていますか?
デリック もちろん。NOFX、フェイス・トゥ・フェイス、アンリトゥン・ロウ、ペニーワイズ、フィッシュボーンとかが出てたね。あんなにたくさんのパンク・バンドが集まってライブをやったのは、それまでに観たことがなかった。あんなことは人生で一度しか起こらないと思ってたくらいだよ。あの時、まさに僕は自分のバンドをやろうと決意したんだ。いつの日かワープド・ツアーに出演したいという夢を持ってね。
―でもその夢は叶いましたよね。
デリック 3年後に夢は叶ったね。
―2019年に行われた、ワープド・ツアーの25周年イベントにも出演しましたよね。
デリック 素晴らしかったよ。でも同時に寂しさもあったね。あれだけ長く続いたものが終わってしまったわけだから。もちろんその理由もわからなくはないんだけど、最後のショーっていうのは寂しいものだ。
―SUM 41は1996年から活動しているわけですが、長い間活動を続けてこれた秘訣はありますか?
デリック 何だろうね(笑)。結局のところ、バンドをやりたいという気持ちに尽きるのかな。このバンドは僕がずっとやりたいと思ってたものだし、これを手放したいと思ったことは一度もないんだよね。もし終わる時が来るとすれば、それは僕たちがそうだと決める時になる。他の誰かから終わりだなんて言われて終わるものじゃないんだ。僕の中では常に情熱があったから続けられたと思ってるよ。しかもその情熱は、いつでも外に向けて放てる準備ができてたから。
―それに、デリックの人生において、音楽は一番のプライオリティになりますからね。
デリック 音楽は僕が大好きでやってる以上の存在なんだ。僕は音楽の中毒にかかったのではなく、音楽に取り憑かれてしまってるんだ。まだまだ音楽で満たされることはないし、音楽は僕にとってすべてを意味するものだから。
―バンドでプレイする感覚はこの27年間で変わりましたか?
デリック イエスであり、ノーだね。バンドで自分たちの音楽をやってると、大人になってはいけないって強制されてるような感覚があるんだ。今でも僕はバンドを始めた15~16歳の時と全く同じ感覚を感じることができる。でも同時に、大人になって歳を重ねて、自分がやってきたこと、自分が属してるものに対する感謝の気持ちもどんどん大きくなってきてる。若い時はライブをやって、自分たちが大きなイベントの一部になっても、時はどんどん過ぎ去っていくし、すぐに次のことをやらなくてはいけなかった。でも後になって振り返ってみると、それがどれだけスペシャルな瞬間だったのかを思い出すことになるんだ。