女性囚人が血まみれ流産、獄中出産の悲惨な現実 米

マギー・フレラング氏のpodcast「Wrongful Conviction(冤罪)」では、冒してもいない罪で何年も刑務所に入れられた人々を取り上げている/DAVID DOOBININ*

刑務所は女性を想定して作られたわけではない、とピューリッツァー賞を受賞したプロデューサー兼podcast『Lava for Good』司会者のマギー・フレラング氏は語る。刑事司法改革のジャーナリストとしては指折りの存在の彼女が、アメリカの勾留所に収監された妊婦が受けた残忍な対応を取り上げ、刑務所内出産の悲惨な現実と問題点についてレポートする。

かつてパメラ・ウィンさんは囚人番号54458-019と呼ばれていた。現在はジョージア州を拠点に活動する、有色人種の女性による有色人種の女性のための社会復帰支援団体RestoreHERの設立者だ。ウィンさん自身が収監中、人間なら経験しなくていいようなトラウマを味わわされたからだ。

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ウィンさんは2008年にホワイトカラー犯罪で起訴され、連邦政府が管理する収容施設、ロバート・A・デイトン勾留所に入れられた。当時39歳だったウィンさんは裁判所を行き来する際、他の受刑囚とともに両手を手錠で、両足を足枷で、腰を鎖で拘束されていた。同じ年、彼女は自分が妊娠していることを知った。

「ある日裁判所に向かう時、足首に食い込むほど足枷がすごくきつかったんです」とウィンさん。「耐えられないほどの痛さで、ワゴン車に乗り込もうとしたら転んでしまいました」

ウィンさんいわく、看守はすぐに彼女を起こしてくれたが、それ以上の気遣いはなかった。

勾留所に戻ると、出血するようになったという。最初はほんの数滴だったが、やがてどんどんひどくなった。ウィンさんは何週間も医師の診察を申請し続けたそうだ。ウィンさんは収監されるまで婦人科系の登録看護士だったので、出血は転倒時に胎児に何らかの影響があったことを示す兆候であることが分かっていた。

ようやくウィンさんは所内の医療棟に入院した。そこには主任と提携医師(いずれもウィンさんと同じ黒人女性)がいたという。2人もウィンさんが登録看護士だと知っていて、同情していたようだった。

「それもあって、2人は同業者のよしみで私に話しかけてきて、この施設は男性囚人用に作られているから自分たちは何もしてあげられない、と教えてくれたんです」とウィンさん。「女性の囚人、ましてや妊婦が来るとは思ってもいなかったんですね」

産科医の診察にGoサインが出るまで3カ月近くかかった。だがその産科医の手元には、ウィンさんに必要な超音波機器がなかった。そこで彼女はさらに別の医師の診察を申請した。それから4週間後、申請の返答待ちの期間に、もっとも恐れていたことが起きてしまった。

Akiko Kato

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