ガレージで見つかった謎の人骨、19世紀の友愛団体が「儀式」で使用か 米

Photo by Getty Images/EyeEm

現地時間3月24日、米オハイオ州シンシナティ郊外にあるマウント・ヘルシーという小さな町のガレージで発見された人骨が、19世紀にアメリカで結成された友愛団体「Independent Order of Odd Fellows」の儀式で使用された「遺物」の可能性があると、現地警察が発表した。

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町の住人が、自宅近所にある独立したガレージから声が聞こえたので、中に入ると「朽ち果てた人間の遺骨が入っていると思しき」箱を見つけ、警察に通報したという。

警察は数十年前、Odd Fellowsがこの町を出た際にロッジを購入した一家に話を聞き、骨の出所を追跡した。「Odd Fellowsは退居の際、骨など多くの物品をロッジに残していきました」とマウント・ヘルシー警察のヴィンセント・デマシ署長は語る。ロッジの新たな所有者は、友愛会が残した骨などを貸ガレージで保管していた。

署長によれば、所有者はロッジの購入後に骨を見つけ、Odd Fellowsに問い合わせたという。「一家が……骨について尋ねたところ、刑務所で死んだフリーダという女受刑囚のもので、遺骨の引き取り手がなかったのだと言われたそうです」と署長。「おそらく当時は、引き取り手のない遺体は様々な目的で売買されていたのでしょう。Odd Fellowsが骨を所有した経緯についてはわかっていません」

警察は報道声明の中で、骨が「Odd Fellowsの儀式の一部として」使われていたと発表した。ローリングストーン誌は骨が儀式で具体的にどのように使われていたかと問い合わせたが、デマシ署長はわからないと語った。

Odd FellowsのWEBサイトによれば、同団体の発祥はもともとイングランドで、19世紀初頭に北米に拠点を築いたという。シンシナティ・エンクワイア紙の記事もほのめかしているように、この団体は現在も活動中で、オハイオ州に40棟のロッジを所有している。

人道主義的友愛団体・フリーメイソンの支部にあたるグランドロッジ・オハイオのグランドセクタリーを務めるペニー・キャッスル氏がエンクワイア紙に語ったところでは、骨は儀式の中で死を象徴するものとして、限りある命を精一杯生きることを思い出させるために用いられているそうだ。「私が見たものはプラスチックや張り子のものでした」とキャッスル氏はエンクワイア紙に語った。「昔は違っていたのかもしれません」

遺骨の発見について、グランドロッジ・オハイオの総グランドマスターを務めるチャック・ラスク氏にコメントを求めたところ、同氏は遺物愛好サイトAtlas-Obscuraの2017年の記事を例に挙げた。この記事には、入会の儀式で頭蓋骨が使用されていたこと、Odd Fellowsのロッジで度々骨が発見されたことが記述されている。「オハイオ州で発見された骨に関して言えば、発見されたのはロッジの中でなく小屋で、しかも小屋の所有者は友愛団体のメンバーではありません。ですからOdd Fellowsとの関連性については断定できません」と述べた。

ハミルトン郡検視局はいまだ骨の身元を確認できていない。

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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