東京発・現役大学生の次世代ソウルバンド、Billyrromが語る音楽ルーツ

ー楽曲の作曲者はBillyrromとクレジットされています。どういった作曲のプロセスなんでしょうか?

Mol:変わりつつではあるんですけど、最初に出したEPの頃とかは僕とRinで6〜7割くらい完成されたデモをみんなに共有して、それをスタジオで合わせて肉付けしていくスタンスでやっていました。最近は僕とRin、Lenoがワンフレーズを持ってきて残りの8割をみんなで埋めていくやり方、もっと各々の色を出しやすい曲の作り方に変えています。それこそ「Danceless Island」はちょうど過渡期に作った曲です。未完成ものからみんなで作り上げていくスタンスに変わりましたね。

ー作詞に関して、全編英詞のようにも聞こえる独特なアクセントの日本語は意識されているんですか?

Mol:そうですね。韻律の部分に関しては聴いていて気持ち良い音や語尾の響きを揃えるような多少の韻を考えつつ作詞して、なおかつそこにちゃんと意味を持たせることは意識しています。

watabiki:スタジオでMolが鼻歌でメロディーを合わせたりするんですけど、聴いていてどう考えても英語だろみたいな(笑)。それを日本語に変換するんで聴いた時に英語っぽく聴こえるんじゃないですかね。

Mol:確かにそれはあるかも。スタジオで楽曲を合わせる時にフワッとメロディーを合わせるとやっぱり英語っぽい方が気持ちよくはまったりするんですよ。どうやったらその気持ち良い音をキープしたままちゃんと意味がある日本語で歌えるかってところは時間をかけて考えていますね。

Leno:僕は加入したのが後だったんで、客観的に最初のデモは聴いたんですけど良い意味で何を言っているのか分からないなと思って(笑)。英語の中にあれこれ日本語じゃない?みたいなフレーズが聞こえてくるところがユニークだと思いましたね。

ーブラック・ミュージックをやる上でドラムとベースは土台として重要な役割を担っていると思いますが、楽曲制作をする上でリズム隊のお二人の中で何か意見を共有することはありますか?

Taisei:それはめっちゃしますね。

Shunsuke:リズムを作る上で、ブラック・ミュージック的な発想でベースとドラムのアクセントをAメロでは合わせるけどBメロではずらしてみたいなことはしますね。

ーそれはセッションをする中で構築されていくんですか?

Shunsuke:そうですね。感覚的なものだと思います。かっこいいと思ったものがそういう感じになっていたりします。あと音価っていう音の長さをなるべく短くすることでノリを出したりすることは意識していますね。

Mol:watabikiとShunsukeの間で共有している何かがあって、気づいていなくてもお互いの共通認識の範囲が広がっているんだろうなとセッションから感じます。

Rin:お互いに好みのベース、ドラムについて話したりすることで無意識にセッションでのプレイも変わってきている気もします。

ー去年の9月にリリースされたEP『Frontier』の制作は今とは違うやり方だとおっしゃっていましたが、どういったやり方で制作されていたんですか?

Mol:もう一番安いスタジオを探して一番安いオプションでコスパを最優先にして作っていましたね(笑)。

Rin:EPの3曲の中でも作った順番は「Babel」と「Magnet」が同時期で「Control」が少し後なんです。最初の2曲から「Control」の時間でバンドの曲の作り方がちょっと変わっています。それまでは僕とMolがデモをがっつり作っていくやり方だったんですけど、「Control」ではスタジオで試しながらフレーズを入れたりしています。「Control」と「Danceless Island」の間でも大分違いますけど『Frontier』の中で見ても制作のスタンスが変わっていく過程が見えると思いますね。



Rolling Stone Japan 編集部

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