ベルウッド・レコード、はっぴいえんど解散後からのニューミュージックの歴史を辿る

田家:「J-POP LEGEND FORUM」 日本の新しい音楽の土台を作り上げたベルウッド・レコードの50周年を記念した特集。ゲストは設立者、プロデューサー、音楽事業家、三浦光紀さん。今週はパート4をお送りしました。流れているのはこの番組の後テーマ竹内まりやさん「静かな伝説」です。



70年代の話をする時に気を遣うと言いますか、この話はどこまで通じるだろう、分かってもらえるだろうと思うことがいっぱいあるんですね。あの時代だから通用したとか、あの時代じゃなかったらこうはなってなかったんだろうなというのがいっぱいあるんですね。これは先々週かな。ちらっと出てきたLSDという言葉もその1つなのですが、やっぱりそういうものが音楽文化の中にあった時代なんですね。ビートルズがドラッグの力を借りたアルバムを作ったとか、いろいろな情報が入ってきて日本にいた僕らは何も知らないままに幻想を作り上げていた。

細野さんが『HOSONO HOUSE』に対して、幻想の中にいたと言ったりしているのは、時代に対してその場で自分が体験してみて、これは違うんじゃないかなと思ったりした1つの表れだったと思うんです。ヒッピー的なライフスタイルがあって、物質文明とは違う生き方を僕らはするんだ、近代文明とは違うところに行くんだ、その中に感覚の解放があって、そこに音楽もあったわけです。オルタナティブ思考って言われたりしているわけですね。そこから始まったことはたくさんあって、今環境問題とか言われたりしているわけですけども、宇宙船地球号という言葉はヒッピーから始まったりしているんですね。そういう時代がありながら、その頃のいろいろな現象、生き方が過去のものになって音楽はずっと生きている。そこにあらためて注目していただけると、ベルウッドのメッセージ、ベルウッドが残したものは何だったんだろうという違う聴き方もできるのではないか。コンピューターでなんでもできる時代だからこそ、この時代の音楽に意味があると思っていただけると、来週の最終週を迎えられるんじゃないかと思います。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

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Rolling Stone Japan 編集部

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