ベルウッド・レコード、はっぴいえんど解散後からのニューミュージックの歴史を辿る



田家:この時にははっぴいえんどの解散も決まっていて、終わりの季節を迎えていたわけですもんね。細野さんはご自分の1枚目のアルバム『HOSONO HOUSE』を幻想の産物だったとお書きになったりしていますね。

三浦:よく覚えてないって言っていますよね(笑)。

田家:幻想ってなんだろうと思った時に、1つのヒッピー幻想というのが当然あったんだろうと思っていて、このアルバムで幻想から覚めるんだよって。

三浦:哲学者ですよね、あの人は。

田家:山中でレコーディングするとか、自宅でレコーディングするとか、近代システムに頼らずに何かをやるみたいなものは1つのヒッピーのイデオロギー、思想の中にありましたもんね。

三浦:それでそろそろ東京帰ろうかなってなったんでしょうね(笑)。

田家:そうなんでしょうね(笑)。もう経験したからいいやみたいな。ヒッピーってことで言うと、三浦さんが選ばれた曲の中でこの人が入っておりました。南正人さん。彼は本当に本物のヒッピーでしたもんね。外語大卒業で世界中を旅している人だった。

三浦:当時、そういう方はたくさんいましたけど、代表格は南正人さんですよね。

田家:南正人さんの1973年に出た2枚目のアルバム『ファースト』。これもベルウッドなのですが、八王子山中の自宅録音だった。

三浦:『HOSONO HOUSE』の後ですよね。

田家:メンバーも細野さん、松任谷さん、鈴木さん、林さん。キャラメルママですもんね。

三浦:ええ、その流れでいったんですよね。

田家:南さんも細野さんも1つの幻想の中にいたってことなんでしょうかね。

三浦:たぶんね、僕もそうだと思うんですけど(笑)。

田家:三浦さんが選ばれたのは1974年に出たシングル、「上海帰り」です。

三浦:名曲です!

Rolling Stone Japan 編集部

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