ベルウッド・レコード、はっぴいえんど解散後からのニューミュージックの歴史を辿る

田家:今週は1973年~1974年の話になるわけですが、はっぴいえんどの3枚目のアルバムが先週でした。今週はその後、解散した後。今日の1曲目、1973年5月発売、細野晴臣さんのソロの1stアルバム『HOSONO HOUSE』の中から「薔薇と野獣」。



田家:こういう音だったんだ~ってあらためて思いました。

三浦:特にこの曲は細野さんが1番気に入っていた曲ですね。狭山にその頃、小坂忠さん、西岡恭蔵さん、漫画家の鈴木光司さんとか、あとワークショップ・ム!の人たちもみんないて。吉野さんがシグマ製の16チャンネルを購入して、いきなり『HOSONO HOUSE』に持っていってやった最初の録音です。だから、16チャンネルで自宅録音した最初のアルバム。

田家:なるほど。はっぴいえんどと全然違う音ですもんね。

三浦:違いますよね。写真は野上(眞宏)さんという大学時代の同級生が撮って、ジャケットデザインはム!がやったんですよ。

田家:今日の2曲目は『HOSONO HOUSE』の中から2曲目です。「恋は桃色」。



田家:シングルカットもされておりますが、自宅に16チャンネルを持ち込んだ。その話は細野さんから聞かれた?

三浦:吉野さんと細野さんで決めたんですね。当時は『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』とか、ジェイムス・テイラー、あのへんのサウンドがあったので、細野さんはあれに近い音を作りたいと思ったんだと思うんですよね。吉野さんがそれだったらこうした方がいいと言ったんじゃないかなと、僕はそこには加わってなかったので。今気がついたんだけど手帳を見たら毛利でやってた大瀧さんのソロアルバムも16チャンネルでやっているんだね。アメリカに行く前に16でやっている(笑)。

田家:先週の話の中で(笑)。

三浦:だから、大瀧さんは日本で初めて16チャンネルでアルバムを作った人なんだね。細野さんは16チャンネルで初めて自宅録音した人なんだ。もうすごい、その両巨匠は。

田家:自宅と言っても、一軒家の住宅ですからね。

三浦:そう、音漏れがすごくてね(笑)。

田家:そういう心配はされました?

三浦:ベッドのマットレスを重ねたり、貼ったり、いろいろやってましたよ(笑)。

田家:あー防音装置を。

三浦:ちょうどエコーが効いていいとか、いろいろみんなで言ってました。

田家:その時の演奏がメンバーが細野さん、松任谷正隆さん、林立夫さん、鈴木茂さん、駒沢裕城さん。このメンバーははっぴいえんど時代からの付き合いもあるんでしょうし。

三浦:特に駒沢さんのほのぼのとした雰囲気が出ていていいなと思って、大好きな曲です。

田家:自宅録音アルバムの歴史的な1作から三浦さんが選ばれたもう1曲「終わりの季節」。

Rolling Stone Japan 編集部

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