GOJIRAが語る、進化/変化するヘヴィミュージックへのこだわり

GOJIRA:左からマリオ・デュプランティエ(Dr)、ジャン=ミシェル・ラバディ(Ba)、ジョー・デュプランティエ(Vo, Gt)、クリスチャン・アンドルー(Gt)

現代ヘヴィ・ロックの最重要バンドのひとつとなったGOJIRAがアルバム『Fortitude / フォーティチュード』を引っ提げて2022年11月、日本に来襲する。

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1996年にフランスで結成、エクストリームかつプログレッシヴなサウンドで世界を蹂躙してきたGOJIRAの久々の来日。2015年の「LOUD PARK」フェスティバルでの凄まじいステージ・パフォーマンスは伝説となっている。精力的なツアー、グラミー賞ノミネートなどを経てさらに巨獣化を果たした彼らがライブに込めるメッセージは、人類の未来に向けた警告だ。

日本上陸まで待ったなし。バンドのドラマー、マリオ・デュプランティエが語った。

ー2015年の来日以来、GOJIRAを取り巻く環境は大きな変化を迎えてきました。グラミー賞ノミネート、世界を股にかけたツアー、新型コロナウイルス、ヒトデの化石がバンドから名付けられるなど、さまざまな出来事がありましたが、あなた達はどのように変化しましたか?

前回日本でプレイしてから良いことも悪いこともあったけど、どれもバンドの結束を強くすることになった。より一体感を強めた、新鮮なライヴ・パフォーマンスを出来るようになったよ。日本でヘッドライナー・ツアーをするのは初めてなんだ。前回プレイしたときは鮮烈なインパクトがあった。みんな礼儀正しく丁寧なのに、ライヴでは首を振って拳を突き上げて、クレイジーになるんだ。あのエネルギーの昂ぶりを再び感じられるのは嬉しくてたまらないね。これまで7枚のアルバムを出してきたし、新旧取り混ぜたショーになるけど、新作『フォーティテュード』が軸となる。俺たち自身が誇りにしている作品で、ライブでさらに高まっていくんだ。「ボーン・フォー・ワン・シング」や「アマゾニア」は今やGOJIRAのショーに欠かせない重要な曲だよ。





ー『フォーティテュード』は2021年4月に出て、もう1年半経っていますが、アルバムの曲はライブでどのように変化したでしょうか?

『フォーティテュード』の曲は可能な限りキャッチーな音楽性を志したんだ。もちろん俺たち流に、だけどね。過剰にテクニカルだったり実験的になることを避けている。ただ、GOJIRAはツアー・バンドなんだ。ライブで毎晩演奏するごとに少しずつ変化していく。自分たちで書いた曲であっても、ファンからの反応を得ることで、新しい発見や新しい表現手法がいくつもある。それが“進化”なのか、ただの“変化”なのかは人それぞれ解釈が異なるだろうけど、俺自身はベクトルが前方に向かっていると考えているよ。

ー前作『マグマ』(2016年)も素晴らしいアルバムでしたが、ひとつの方向を突き詰めていく作風でした。『フォーティテュード』ではより曲ごとに多彩なアプローチを取っていますが、ライブで演奏するのはどちらがやりやすいでしょうか?

演奏テクニックの面ではどちらが簡単でどちらが難しいということはないけど、『マグマ』の音楽は、特に兄貴(ジョー・デュプランティエ/Gt, Vo)と俺にとっては精神的に重いものがあることは確かだ。母親を亡くして大きな打撃を受けた。それが音楽に反映されている。彼女は俺たちが信じる道を進むことを応援してくれたし、自信を与えてくれた。寛大で哲学的でポジティヴで、他の誰とも異なる母親だったよ。『マグマ』の音楽にはダークな翳りがあるけど、それと同時に、愛情と感謝が込められているんだ。「ストランデッド」や「シルヴェラ」は彼女について歌った曲ではないけど、アルバムの空気を象徴する曲だし、ライブでプレイするとき特別なエモーションが込められているよ。『フォーティテュード』は新しい世界に向かって一歩を踏み出すアルバムだし、攻撃性はあっても、より開放感のあるサウンドだ。そんな異なったスタイルがひとつのショーに共存することで、ダイナミックな起伏が生まれるんだ。



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