GOJIRAが語る、進化/変化するヘヴィミュージックへのこだわり

日本のenvyのライブが素晴らしかった

ーGOJIRAはヘヴィ、オルタナティヴ、メタル、エクスペリメンタルなどいろんな呼ばれ方をされてきましたが、プログレッシヴとも言われることがあります。プログレッシヴ・ロック、特にフランスのアーティストで好きなものはありますか?
 
アルセストは“プログレッシヴ・ロック”なのかな?彼らは独自の世界を築いているよね。あとフランス出身だったらスウォーマゲドンが気に入っていて、頭の中でループで鳴っているよ。ただ俺たちはオールドスクールだし「よし! 新しいバンドをチェックするぞ!」というより、ついトゥールやパンテラ、デス、モービッド・エンジェルなどに手を伸ばしてしまうけどね。でも新しい世代のバンドにも素晴らしいものがある。こないだ日本のenvyが俺が住むビアリッツでライブをやって、観に行ったけどすごく良かったよ。

ーGOJIRAと同じフランス出身で、あなた達のアルバム・タイトルと同じ名前を冠するマグマは日本でも人気があり、2022年10月にジャパン・ツアーを行ったばかりですが、彼らの音楽には親しんでいますか?

マグマはフランスでは伝説的なバンドで、ミュージシャンだったら誰もが知っているし、尊敬されている。あまり深くアルバムを聴いているわけではないけど、1990年代ぐらいにライブを観て、その世界観、音楽、エネルギーに圧倒されたよ。なかなか同じフェスに出演する機会がないけど、ぜひまたショーを体感してみたいし、会って話してもみたい。

ー元々GOJIRAという日本の怪獣の名前はゴリラとクジラを合体させたもので、あなた達は環境保護団体シー・シェパードを支援するEPをレコーディングするなどしていますが、クジラへの想いを教えて下さい。

俺たちが育ったフランス南西部は高くそびえ立つ山と広大な海が拡がる、自然に恵まれた地域なんだ。都会ではなく森林もある、のどかな場所だよ。クジラは山や海のように、自分を取り巻く巨大な自然の一部だ。日常的に見かけるわけではないけど、重要な位置を占める存在だった。子供の頃は外で遊んでいたし、それが普通だった。現代の世界では、その普通だと思っていたものが破壊されようとしている。環境破壊や森林火災はこれまでになく深刻だ。そんな現状に対してメッセージを発信することは、バンドの義務だと考えているよ。

ーあなたの住むビアリッツ市の紋章にもクジラがいますね。

うん、ビアリッツはスペイン国境に近い町で、かつては捕鯨と漁業で栄えていたんだ。現代では環境保護の観点から捕鯨はしていないけど、紋章はその名残なんだよ。

ー2011年に制作されながらハード・ディスクのクラッシュでデータが壊れて、その後ずっと修復中だという『シー・シェパードEP』は2017年ぐらいに“発表される可能性がある”というニュースが流れましたが、今後リリースされる予定はありますか?

ゴメン、ずっと作業が止まっているんだ。デヴィン・タウンゼンドとメシュガーのフレドリック・トーデンダルが参加した「Of Blood And Salt」はウェブで公開したけど、あと3曲が未発表だ。まだタイトルはないんだよ。1曲はスーパー・ヴァイオレントでスーパー・デス・メタルなんだ。あとプログレッシヴでチルなパートのある曲、それからすごくエモーショナルでドラマチックな曲の、合計4曲になる。ランディ・ブライ(ラム・オブ・ゴッド)、マックス・カヴァレラ(ソウルフライ)、アンダース・フリーデン(イン・フレイムス)がゲスト参加しているんだ。俺たちにとっても重要な作品だし、いつかリリースしたいね。



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