スレイヤーのケリー・キングが選ぶ、不滅のメタル・アルバム10作

スレイヤーのケリー・キング、2011年撮影(Photo by Gary Wolstenholme/Redferns)

ジューダス・プリースト『ステンド・クラス』やメタリカ『マスター・オブ・パペット』といった名盤の数々を通じて、スレイヤーのギタリストが自身の音楽観を語りまくる(本記事は2017年7月初出)。

1981年以降、スレイヤーが奏でる危険なほど高速なテンポと切れ味鋭いリフが、スラッシュメタルとスピードメタルの基準を決めてきた。ヒップホップ系プロデューサーのリック・ルービンとチームを組んだあと、1986年に彼らがブレークを果たしたアルバム『血の王朝』(原題:Reign in Blood、ローリングストーン誌による「史上最高のメタル・アルバム100枚」で第6位)で、メタルというジャンルに革命を起こすサウンドを打ち出した。ルービンはディヴ・ロンバードの常に全力投球ドラムの音量をぐんと上げ、当時一般的だったエコーのかかったリヴァーブをケリー・キングとジェフ・ハンネマンのギターから外した。これによって、ベーシスト兼ヴォーカリストのトム・アラヤが極悪非道な残虐行為をおどろおどろしく歌う中、「エンジェル・オブ・デス」「クリミナリー・インセイン」「レインニング・ブラッド」などのバンド・サウンドが無慈悲な殺人マシンのような響きを持つこととなった。

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『血の王朝』でスレイヤーは、メタリカ、メガデス、アンスラックスとともにスラッシュメタル四天王の座を得た。そしてこのアプローチは、破滅度が増した1988年の『サウス・オブ・ヘヴン』、聞きやすくなった1990年の『シーズンズ・イン・ジ・アビス』、さらにその後も採用され続けた。

長年に渡ってスレイヤーのサウンド作りの中心人物だったキングは、メガデス、ビースティ・ボーイズ、パンテラ、ロブ・ゾンビ、マリリン・マンソンなどとの共演やレコーディングを経験している。私たちは経験豊富な彼にお気に入りのメタル・アルバム10枚を聞いてみた。「スレイヤーのアルバムを1枚入れようと思ったんだ」とキング。「たぶん『血の王朝』あたりが良いと思ったのだが、これを入れると他のバンドの好きな作品を一つ入れられないことに気付いた。だから入れなかったのさ」。

では、ここから彼が選んだ10枚を、選んだ理由のコメントとともにアルファベット順に紹介しよう。

●【リスト一覧】スレイヤーのケリー・キングが選ぶ、不滅のメタル・アルバム10作

Translated by Miki Nakayama

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