GOJIRAが語る、進化/変化するヘヴィミュージックへのこだわり

作曲のプロセスについて

ー今年(2022年)、新曲「Our Time Is Now / アワ・タイム・イズ・ナウ」を発表しましたが、いつレコーディングしたものですか?

「アワ・タイム・イズ・ナウ」は 『フォーティテュード』のセッションでレコーディングした曲だ。すごく良い曲で気に入っていたけど、アルバムの流れに収まらなかった。それでアメリカのNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)がゲームソフト『NHL 23』のサウンドトラック用に未発表曲が欲しいと言ってきたんで、提供することにしたんだ。



ーあなたもホッケーをやったり、NHLを観戦しますか?

フランス人はみんなサッカーやテニスに夢中で、ホッケーは比較的マイナースポーツというイメージがあるね。俺も一度もやったことがないけど、ちょっとテレビで見るだけでもエネルギーと熱狂が伝わってくるし、北米地域のツアー・マネージャーがNHLの大ファンだよ。いろんな層のリスナーにゴジラの音楽を好きになってもらいたいんで、クールな機会だと考えたんだ。

ー「アワ・タイム・イズ・ナウ」は1曲単位のシングルとしてリリースされましたが、ロックやメタルの世界では今でもアルバムという単位が重視されています。あなた達はアルバムを発表し続けることにこだわりはありますか?

俺が41歳で他のメンバーは年上だから、アルバムがひとつの周期として身体に染みついている。始まりがあって真ん中があって終わりがある、そんな流れが好きなんだ。今後シングルやEPも出す可能性はあるし、YouTubeやTikTokを使ってリスナーを開拓していくこともビジネス的に大事だけど、 これからもアルバムは俺たちの表現の重要な一部であり続けるよ。ジョーのジャケット・アートワークもアルバムの音楽をさらに高めている。

ー曲作りはあなたとジョーでやっているそうですが、どのような作業プロセスですか?

ひとつのスタイルがあるわけではなく、曲ごとに異なった書き方をしている。ジョーと俺でひとつの部屋でジャムをやることもあるし、俺がリフやドラム・パターンを口ずさんだり、クリスチャン(アンドルー/Gt)とジャン=ミッシェル(ラバディ/Ba)を加えた4人でアイデアを付き合わせて組み立てていくこともある。ルールは存在しないよ。

ー『フォーティテュード』が発表されてから1年半が経ちますが、新作の構想などはありますか?

うん、既に曲作りを始めているんだ。まだギター・リフやビートの断片的なアイデアを書き溜めているところだけど、『フォーティテュード』と同様にパワフルでありながら、異なったタイプのエネルギーが込められている。コロナ禍によって世界は一変したし、それを反映して俺たちの音楽も変わったんだ。GOJIRAはアルバム作りに時間をかけるタイプのバンドだ。KoЯnやスリップノットは2年ごとに新作を出しているけど、俺たちはそうはいかない。まだいつアルバムを完成させられるか分からないけど、決して怠けているわけではないからね(笑)。自分たちの内面に深く潜行していくには、時間がかかるんだよ。それに常にシーンで顔を出しているのでなく、たまに消え去って、再び現れる……というのが好きだね。とにかく最高にクールな作品をファンに聴いてもらいたいし、焦らずじっくり作っていくつもりだ。


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