狂気のマリリン・マンソン、ミュージックビデオ撮影時に「本番」強行か

頭蓋骨をハンマーでたたき割る妄想

マンソンは2009年にスピン誌のインタビューで、ウッドと一度別れた後のことを語っている。「(2008年のクリスマスの日)彼女に電話をかけるたび――実際158回も電話した――俺は剃刀を手にして、自分の顔や手に傷をつけた……彼女が俺にどんな痛みを負わせたのか、わからせてやりたかった。『お前の仕打ちを物理的に見せてやりたい』ってね」 。さらに彼は、「毎日、彼女の頭蓋骨をハンマーでたたき割る妄想」を抱いていた、と続けた。

ウッドは2016年のローリングストーン誌とのインタビューで、過去に「身体的・精神的・性的」虐待を受けていたことをほのめかし、翌日にはメールでこう付け加えた。「ええ、私はレイプされました。大事なパートナーから、交際している期間中に」

2019年には動画チャンネルSELFでも、「当時の関係をいま振り返ってみれば、家庭内暴力の典型でした」と語っている。「家庭内暴力の記事を読むと、まるで自叙伝を読んでいるかのようです」

だが彼女がマンソンを名指しで公然と非難したのは2021年2月になってからだった。「私を虐待した人物の名前はブライアン・ワーナー。世間ではマリリン・マンソンとして知られています」と、ウッドは書いている。「彼は10代の私を手なずけ、何年も恐ろしいほど虐待しました」。同じ日、4人の女性がワーナーから精神的・情動的虐待や、性的・身体的暴力などを受けたと公に名乗り出た。

マンソンに対する本格的な捜査の一環として、ロサンゼルス保安官局は去る11月に彼の自宅を家宅捜索し、「複数のデータ保存デバイス」を押収した。ローリングストーン誌は家宅捜索に先駆けて、ワーナーから性的・身体的・精神的虐待を受けたとする数人の女性たちの暴露記事を掲載した。ウッドが最初に主張して以来、マンソンから虐待を受けたと主張して名乗り出た女性は十数人に上る。

ドキュメンタリー映画『Phoenix Rising』では、その後ウッドが性的暴行の被害者たちの活動に励む様子も描かれる。家庭内暴力の時効を延長し、被害者が加害者を訴追できるようにしたフェニックス法制定までのいきさつも追っている。映画の中でウッドは、他の女性たちがマンソンから受けた虐待を耳にしたことも活動に火が付いた一因だと語っている。

「自分がシリアルキラーと付き合っていたのが分かったような感じでした」とウッドも語っている。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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