威嚇・恐喝は日常茶飯事、ギャングと職員の「癒着」が明るみに 米刑務所

2019年8月10日、米ニューヨーク州メトロポリタン矯正センターのフェンス(Photo by Bebeto Matthews/AP)



禁制品の持ち込みの他にも

起訴状に出てくる受刑囚の中でもっとも有名なのが、Nine Trey Gangsta Bloodsのハーヴ・エリソンだ。Nine Trey Gangstaはラッパーの6ix9ineがストリートの信用を得るためにつるんでいたギャングで、時折ミュージック・ビデオにメンバーを出演させていた。エリソンはラッパーの腹心兼ボディガードだったが、やがて6ix9ine(本名はダニエル・ヘルナンデス)を正統なギャングではなく「ギャングかぶれ」とみなすようになった、と言われている。

結局エリソンは2018年に6ix9ineを誘拐し、宝石類を渡さないと殺すと脅した。ニューヨークデイリーニュース紙の報道によれば、大量の戦利品の中には「赤のRolexプレジデント、Cuban Linksのブレスレット、ダイヤモンドの指輪4つ、69マークの入ったダイヤモンドの回転式チェーン、映画『ソウ』シリーズの登場人物ジグソウをかたどったチェーン、6ix9ine本人のレインボーカラーの髪をあしらった9万5000ドル相当のマイリトルポニーのネックレス」などがあった。6ix9ineはエリソンのSUVから見知らぬ他人の車に飛び乗り、難を逃れたということだ。

その後、6ix9ineは検察側に協力し、重要証人として元ギャング仲間に不利な証言をした。最終的に武器所持および恐喝罪で懲役2年に減刑された。判事はギャングを売った彼の証言を「めったにできないこと」で「きわめて有益だ」と称賛した。

今回の起訴によれば、同センター職員のうちシャロン・グリフィス・マクナイトという看守班長が、量刑判決を控えていたエリソンへの禁制品持ち込みに関与した。同職員はさらに深入りし、エリソンの裁判の担当判事に宛てて、本人がいうところの「模範囚」に減刑を求める手紙を書いた。

判事はその手紙を額面通りに受け止めた。「これがジョン・グリシャムの小説か何かではなく、皆が共謀して(エリソンについての)話をでっち上げているのでない限り」と判事。「私には、(エリソンの)同センターでの経過が順調であることは否めないように思われます」

起訴状は、グリフィス・マクナイト班長が判事へ虚偽の報告をしたことで、「職務に背いて公的手続きに立ちはだかり、横やりを入れ、妨害した」と主張。「当時グリフィス・マクナイト班長は、エリソンが実際は『模範囚』ではないことを知っていた」ときっぱり言い切っている。

Translated by Akiko Kato

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