米砂漠の岩地で女性遺体を発見、失踪事件の悲しい結末

ローラン・チョさん(Photo by MORONGO BASIN SHERIFF'S DEPARTMENT)

10月初めに米カリフォルニア州のユッカ・バレーで見つかった遺体が、行方不明になっていた韓国系米国人ローラン・チョさんであることを確認したと、同州サンバーナーディーノ郡の検死所が明らかにした。死因などについては薬物検査の結果待ちの状態だという。

【写真】約4000個の人骨が発見された、元肉屋の男の自宅

サンバーナディーノ郡保安官事務所によれば、当局はチョさん捜索中の10月9日、「ユッカ・バレーの広大な砂漠の岩地で」遺体を発見した。発見当時、保安官事務所の代表者は、遺体の「科学的な」身元判明には数日ないし数週間かかる可能性がある、と述べた。

シェフ兼シンガー兼アーティストのチョさんは、2020年末に元恋人のコーディ・オーレルさんと改造ワゴンでニュージャージー州からはるばる国を横断し、カリフォルニア州の砂漠にあるアーティストコミュニティに加わった。彼女が失踪したのは6月28日。友人が警察に語ったところでは、彼女は怒って敷地から徒歩で立ち去ったという。そこはサンバーナディーノ郡とジョシュア・ツリー国立公園に挟まれた砂漠の借地だった。彼女が姿を消してから3時間後、オーレルさんが失踪届を提出した。当局によれば、オーレルさんは「彼女が精神疾患を抱えていたとほのめかし」、食料や水も、携帯電話も持たずに立ち去ったと語った(チョさんの遺体が発見されたことについてオーレルさんはノーコメント)。失踪から数週間、友人らと警察は周辺の砂漠を捜索。7月末、保安官事務所はチョさんが最後に目撃された敷地内を家宅捜索した。

チョさんの事件が注目を集めた背景には、20代白人女性ギャビー・プティトーさん失踪事件をめぐる報道が引き起こした「白人女性失踪シンドローム」議論がある。黒人やアメリカ原住民、その他有色人種が失踪しても白人のような公的支援はなく、緊急事項として扱われない、という議論だ。プティトーさんは婚約者のブライアン・ローンドリーと全米横断のドライブ旅行中に姿を消し、9月にワイオミング州のキャンプ地で首を絞められて殺されているのが発見された。10月初めにはローンドリーの遺体が、彼の両親が住むフロリダの家付近の自然保護区で発見された。彼の死因などについてはいまだわかっていない。

チョさんの遺族が引き継いだと思われるFacebookのアカウントには、チョさんの遺体が確認されたことを告げる保安官事務所の声明文が掲載されていたが、詳しい背景については記載がない。アカウントの運営者にコメントを求めたが、すぐに返答は得られなかった。

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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