ちゃんみなが語る、スランプを抜けて辿り着いた3rdアルバム『ハレンチ』

ーアルバム終盤の「花火」は、他の曲と歌詞の属性が違うと感じました。なにかに反発するとか皮肉を歌うわけではない優しいバイブスを感じます。どうやって生まれた曲なんでしょう。

手持ち花火をしていた時に思いついたんですよ。私は次23歳になるんですけど、ちょうどその時期ぐらいに女性は自分の若さっていつまで続くんだろうってに考えると思うんです。さっきメイクをしている時、新しいシミを見つけたんです。これまでシミとりとかクマとりとか、そういう言葉って無縁だったし、10代の頃は歳をとることが幻のように感じて、本当にあるのか分からないことだった。それがだんだん本当かもと思い始めて、ちょっと覚悟とかをし出す時期だと思うんですよね。私もその時期になって、今愛している人――例えば私のことを見てくれているファンの子とか、プライベートで好きな人とか恋人とかが、私が年老いて若さが消えちゃったとしても同じように愛してくれるのかなとか、あの時と気持ちは変わらないまま忘れないでほしい思いがあって。「花火」にすごい似てるなって。若さを花火に例えました。

ーこれは、ちゃんみなさんの恋愛を反映させているわけではない?

恋愛というよりは、若さというか。恋愛と言ってもベクトルが違うかもしれないです。一生一緒にいる前提で、いくつになってもあなたに恋をしていたことを忘れないでほしい、私がどんな姿になっても、という想いをこめている。今までの恋愛の感じとはちょっと違いますね。



ー自分のことで恐縮ですが、前回取材させていただいた時に離婚するかもって話したじゃないですか。

心配していたんです。大丈夫でしたか?

ー結局離婚したんですけど、ちゃんみなさんが過去のインタビューで、自分の傷に正面から向かい合ってきたと話しているのを読んで、自分も向かい合おうと思って、ようやく気持ちが落ち着いてきました。「花火」は、そういう何かを経たあとだからこその歌詞だなと思ったんです。

ちょっと絶望というか、受け入れに近い感じですよね。男女がずっと一緒にいたらマンネリもするし、うざったくなる時もあるし、もちろん歳もとる。昔みたいな美しさとはまた別のもの、変わっていくものを受け入れた上で、ちょっと希望を持っている感じですね。

ーそういう意味では「太陽」も広い言葉が使われていますよね。その一方で、「ピリオド」のような強気な曲が同居している感じがおもしろいですよね。

私、この曲大好きなんです。わざとらしいヒップホップがやりたくて、ガチガチに韻を踏んで「はい、以上!」みたいな(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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