性的暴行罪で収監中のワインスタイン被告「まるで独房のよう」 取り消された告訴を検察側が再提出

被告は収監で「明らかに苦しんでいる」

これは2010年5月、ビバリーヒルズのホテルで女性が性的暴行を受けたとする事件で、検察は2020年4月に提起された修正起訴のまま手続きを進める代わりに、この春に新たな訴訟番号で司法大陪審への起訴を決定したため、その時点ですでに10年の時効が成立していた、というのが弁護側の主張だ(慎重を要し、かつ注目を浴びるの裁判では、検察は予審を省略して大陪審にかけることができる)。

7月29日にリサ・レンチ判事が訴因5を棄却すると、ワークスマン弁護士は勝利を宣言し、ロサンゼルス地方検事局は5つの訴因のうちひとつで敗訴したと発言した。だがレンチ判事は検察に再提起を認め、月曜日には8月18日に提出された第3修正訴状に対する被告答弁を行った。新たな起訴状には、大陪審が事項の問題を理解した上で、訴因5をこれまでの起訴の一環であると同意した旨の文言が明記されている。

審問の後ワークスマン弁護士がローリングストーン誌に語ったところでは、弁護側はあらためて妨訴抗弁を申し立て、訴因5の棄却を請求する可能性があるようだ。「時効の問題はいまだに残っています」とワークスマン氏。「我々は今度こそ問題が正されるかどうか、慎重に見届けてゆくつもりです」

【関連記事】ハーヴェイ・ワインスタイン裁判、押さえておくべきポイント

地方検事局が1回目の起訴を行ったのは2020年1月6日。のちに#MeToo運動から有罪判決に至った画期的な事件となるニューヨーク州での刑事訴訟で、ちょうど陪審員選出が行われていた時期だ。2020年2月24日、陪審はワインスタイン被告が若手女優のジェシカ・マンさんを2013年にミッドタウンのマンハッタン・ダブルツリー・ホテルで強姦し、2006年にソーホーの自宅アパートで制作アシスタントのミリアム・ヘイリーさんにオーラルセックスを強要したとして、2件の重性犯罪で有罪と判断した。量刑判決は2020年3月11日、全米でCOVID-19のロックダウンが敷かれる数日前に言い渡された。ワインスタイン被告は4月、ニューヨーク州の訴訟判決に対して上訴したが、その2か月後にカリフォルニアに送検された。

ワークスマン弁護士は月曜、ワインスタイン被告は収監で「明らかに苦しんでいる」と指摘した。「歩くこともできなければ、外を見ることもできません……まるで独房のような状態で拘束されています。同氏にとっては非常につらい状況です」

【関連記事】拷問以上の地獄 米刑務所で大問題になった「恐怖の独房」

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE