ネット発クリエイターとリアルの最前線に立つ「正夢」の狙い

あえてレンタルCDにした理由

—株式会社ottoはどういうビジョンのもとに発足した会社なんでしょうか?

阿部:ネットのクリエイター達の活動の場を増やせるような環境が作れたらいいなというのが大前提としてあります。ボカロPさんとか、歌い手さんとか、絵師や動画師さん、そういった人たちに寄り添って、彼らがもっと飛躍していくようにお手伝いをさせてもらうという会社です。

—所属アーティストには、和田たけあきさんと煮ル果実さんとイラストレーターのりゅうせーさんがいますが、特にボカロPの2名について、それぞれの作家性やポイントはどんなところにありますか?

杉浦:曲を聴いていただくのが一番いいとは思うんですが、あえて短くまとめて紹介すると、和田たけあきに関しては、世の中に対してのヘイトや、どこかしらにある悪意の部分を言葉巧みに表現して、それを誰もが共感するような形でうまく発散、昇華させることできるクリエイターだと思っています。



―煮ル果実さんはどうでしょうか。ずっと真夜中でいいのに。のアレンジャーとしても知られていますが。

杉浦:煮ル果実に関しては、今、本当に成長過程だと思います。引き出しの数も多く、それを自分の音に昇華するためにいろんなことに挑戦している。曲調によってもだいぶ異なるんですが、自分の世界観を大事にするアーティストでもあり、プロデュース力がとても強いですね。



—『正夢 vol.1』に参加しているのは、和田たけあき、Teary Planet、R Sound Design、Lanndo feat.bis、ぼっちぼろまる、NOSISTRY、ベアードアード、おはようございますという8組です。このメンツは、和田さんは別として株式会社ottoの所属アーティストということではないわけですよね。

杉浦:そうですね。活躍されている方にお声掛けさせていただきました。

—どういう観点でこのセレクトになったんでしょうか?

杉浦:今回はVOCALOIDじゃない楽曲にしようというのはありました。まずは多くの人に受け入れやすいであろう、人間の声で歌っている楽曲をセレクトさせていただきました。

—クリエイターの方々には、レンタルCDのコンピという意図をどう伝えたんでしょうか?

阿部:サブスクやYouTubeで聴けてしまう世の中で「何故あえてレンタルCDなの?」という疑問は僕自身の中にもありました。なので「TSUTAYAグループの棚を使ってプロモーションしないですか?」みたいな言い方をさせてもらいましたね。TSUTAYAとしてもレンタルCDをプロモーションと考えている部分もあるので、そういうストーリーを伝えた上でお願いしました。

杉浦:彼らはインターネットを使って自分でプロモーション活動ができている方達なので、インターネット以外のところに出口を作りたかったということですね。

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE