BTS独占ロングインタビュー完全翻訳「世界にポジティブな影響を与えたい」

ローリングストーン インド版の表紙を飾ったBTS(Photograph courtesy of Big Hit Entertainment)

頂点への道を着実に歩むこと3年——。BTS(防弾少年団)が一過性のブームに終わらないことは明白だ。今後も活躍が期待されるBTSは、“ポップアイコン”という定義に対する世界の見方も変えようとしている。そんな世界的なスーパーボーイズグループのメンバーが、音楽哲学、パンデミック、最新作『BE』(11月20日発売)のインスピレーション源となった体験など、絶え間なく変化する「成功」について語ったローリングストーン誌インド版のインタビューを完全翻訳でお届けする。

この記事の執筆に取り掛かる前日、筆者(ローリングストーン誌インド版ライターのRiddhi Chakraboty)は、BTSの全楽曲を聴くことにした。ヒップホップ、ジャズ、ブルース、まばゆいポップスといった彼らのそうそうたるディスコグラフィーに耳を傾けるのは、まさか今回が初めてというわけではないが、そうすることで今回のインタビューの意義を改めて痛感した。

BTSは、世間が言うような一夜限りの流行などではない。BTSの音楽チャートのトップへの躍進は、まぐれの結果でもなければ、「熱狂的な」ファンや視聴の見返りに金銭を与える行為によるものでもないのだ。筆者は、BTSはどうやってここまできたのか? そもそも彼らは何がきっかけで注目されるようになったのか? などを必死に解明しようとする主流メディアの記事やYouTube上に遍在するリアクション動画を頻繁に目にする。そこには憧れから拒絶、執着から不信感といったあらゆる感情があり、すべては「どうやって?」と「どうして?」という質問に帰着する。

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BTSの音楽は、特定のグループをターゲットにしたものではない。彼らの楽曲は、人生の異なるステージを経験した、すべての人のためにあるのだ。学生時代の経験、友人との絆(深まったものや壊れてしまったもの)、両親の期待、社会が押しつけてくる役割など、BTSの歌詞は地球に暮らす人の多くが経験することを扱い、競争社会という、避けられそうにない宿命へとつながっている。こうした人生のステージをテーマにすることでBTSのメッセージの中核は、人間であることの意味の探求と壮大な宇宙のなかでの自分自身の立ち位置の理解に結びつく。韓国出身の7人の青年たちのファンになったり、彼らと自分自身を重ねたりできるのは、何も限られた人だけではない。極めて単純明快だが、BTSのレガシーはすべての世代が触れ、夢中になれるものでもあるのだ。


ローリングストーン インド版『The Ultimate Guide to BTS』
Cover photo by Yeongjun Kim.

BTSのメンバーとともに今回のプロジェクトに取り組んだ2カ月間、筆者はプロフェッショナルとしての彼らについて多くを学んだ。写真撮影、ビデオ撮影、プロダクション、さらにはニューアルバムのリリースにともなうあらゆる仕事が連なり、彼らは多忙を極めていた。それに加え、10月に開催を控えたライブストリーミング公演『BTS MAP OF THE SOUL ON:E』のリハーサルも同時進行でこなしていたのだ。『BTS MAP OF THE SOUL ON:E』により、BTSは2020年リリースのアルバム『MAP OF THE SOUL:7』のツアーとして予定されていながらも、新型コロナウイルスの感染拡大によって中止された公演をようやく開催することができ、同公演は記録的な収益を上げた。メンバーの超多忙なスケジュールにもかかわらず、すべてがローリングストーン誌インド版の締め切りに間に合い、記事のリリースの目処も立った。このことから、BTSと彼らのチームがどれだけ正確さとタイミングに重点を置いているかを筆者は思い知らされた。彼らは、多くのオーディエンスが後にも先にも気にしないような細かい点にもこだわっているのだ。だが、技能とチームワークに対するこうしたコミットメントこそ、BTSが地球上の他のアーティストと一線を画す理由でもある。

ラッパーのRM(ラップモンスター/アールエム)、SUGA(シュガ)、J-HOPE(ジェイホープ)、そしてボーカルのJIN(ジン)、JIMIN(ジミン)、V(ヴィ)、JUNG KOOK(ジョングク)から成るBTSがローリングストーン誌インド版の表紙を最後に飾ったのは、2017年9月——彼らが欧米の音楽チャートを席巻する前のことだった。当時のローリングストーンとの会話でBTSのリーダーのRMは、欧米のオーディエンスの間でBTS人気が高まっている理由は、流行に対する人々の熱狂にあると考察し、「世界のオーディエンスは、流行にもっと敏感なんだと思う。Billboardやポップミュージックの世界で何が起きているかわかってるんだ」と語った。それ以来、BTSは記録を破り、いくつもの新記録を打ち立て、(とりわけ有色人種や欧米以外の)ボーイズグループが波のように次々と現れては消えてゆく音楽業界でメジャーアーティストとしての地位を確立した。BTSは、アジア人男性とK-POP、さらには女性主体のファンを抱えるアーティストに向けられる先入観を壊し、かつては欧米の基準によって拒絶されてきたすべての人に門戸を開いた。頂点への道を着実に歩むこと3年、BTSが一過性のブームに終わらないことは明白だ。今後も活躍が期待される彼らは、ポップアイコンの定義に対する世界の見方も変えようとしている。BTSがすっかり定着したことには、一種の安心感がある。有色人種——とりわけ、見過ごされてきたアジアの人々——の足場を築こうと闘う彼らの姿勢は、私たちに力を与えてくれるのだ。

Translated by Shoko Natori

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