歴史の転換点となったBlack Lives Matter、創始者が語る「人種差別抗議」の真意

ジョージ・フロイド死後の6月初旬、ブルックリン橋を渡るデモ隊の行進。(Photo by Anthony Geathers for Rolling Stone)


変化は起きている、しかし戦いは続く

「昨日、私は初めて喜びのあまり泣きました」。トメティは6月はじめのプロテストのあと、私にこう語った。「ニュースが私たちの姿や、警察への資金援助停止を求める私たちのスローガンをはっきりと映し出すところを見て、メッセージが人々に届いたんだと思いたくなりました。なぜなら、ほんとうに長いこと、私たちの声に耳を傾ける人はいなかったのですから。なぜ私たちがTwitterに赴き、Facebookに赴いて、ソーシャルメディアを活用しなければならなかったか。それは私たちの社会が反黒人差別について沈黙していたからです。ソーシャルメディアは、コミュニケーションのための実用的な手段だったのです」


ジョージ・フロイドの死から一夜明けた5月26日、ミネアポリスで抗議活動が巻き起こった。街が嘆き怒るなか、警官との衝突によって数百もの逮捕者が出た。(Photo by Julio Cortez/AP/Shutterstock)

かつてはラディカルすぎて不可能だと思われた変化が、現実味を帯び始めている。ミネアポリス市長のジェイコブ・フレイが警察への資金援助停止を誓約するのを拒んだのは6月初頭のことだ。その後、市議会はミネアポリス市警察を完全に解体し、コミュニティ主導による公共安全の取り組みに投資する計画を発表した。彼らの動向はたしかにこの早い段階で最も踏み込んだものだ。しかし、警察部門への資金援助停止を求める強い機運こそが、暴力の濫用で悪名高い警察隊を抱えるこの市のリーダーを打ち破ったのだ。

警察への出資を1900万ドルまで増やす一方で、若者による暴力を防ぐプログラムなどを打ち切るという計画に固執してきたフィラデルフィア市長のジム・ケニーは、6月頭、件の予算増をとりやめて寄せられた改革案を検討すると表明した。ニューヨーク・シティの市長ビル・デ・ブラジオは、900億ドルに及ぶ市の予算の6%近くを占めるニューヨーク市警察への予算に手を付けないでおこうと試みていたものの、要求に折れて警察への出資削減を約束した。

この動きに加わる市はまだ数えるほどだが、これからも増えていくだろう。もしこの動きが幅広く受け入れられれば、この国の数十年にわたる党派を問わない警察への支出や軍事化への没頭を食い止められるかもしれない。それだけでも、ほんのひと月前には考えられそうになかったことだ。いま、なにかが変わりつつある。

私もそれを実感している。かつて私が最も望んでいたのは、事件後の説明責任が果たされることだった。生活し、生き延びようとする黒人男性としての望みだ。無作為に私を標的にしないような警察官を望むなど、ほとんど高望みに思えた。しかし私は率直でなくてはならない。もしこのBLM運動の時代が私の安全を確保するような類の変化をアメリカにもたらさなかったとしても、私は国からこうした譲歩を求めることを以前よりも不安に思わずに済むようになった。主要な都市のみならず、テキサス、メイン、モンタナなどの白人が優勢の町に集まる群衆の様子から察するに、他の人々も私と同意見らしい。こうした平和的な行進はまるで都市を流れる血流のようだ――街はここ数カ月のパンデミック下で生気を失っていたというのに。これはただの象徴化ではない。動揺させてやらねばならない有力者はまだまだいるのだから、前進を続けなければならない。

Translated by imdkm

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