ZAIKOが考えるライブ配信の未来

転機となったceroの「Contemporary http Cruise」

―有料チケット制によるライブ配信は、いつから取り組んでいるのでしょうか?

大野:コロナを受けてからですね。元々、2020年に5Gが始まるというので、オンラインでのライブの需要が増えていくというのを考えてはいたんです。それが急にコロナによって、僕たちのイベントも9割9分なくなってしまったところで、急遽開発を進めたような感じですね。社員の半分がエンジニアなのもあって、他社よりもこのサービスを早くローンチできた背景があります。

―最初に行った有料チケット制によるライブ配信は、3月13日のceroによるライブ配信の「Contemporary http Cruise」ですか?

大野:そうです。カクバリズムさんは元々僕たちがチケット販売をやらせていただいていて。ちょうどceroさんのイベントがキャンセルになりそうだというタイミングで、ライブ配信の機能が完成していたので、すぐに連絡をしたところ、二つ返事で「じゃあやりましょう」ってことになって。その話を持ちかけてから開催までが1週間です(笑)。機能に関しては、最初に用意していたものから、ceroさんとのお話の中から出てきた、「こういう機能はできないのか?」「こういうのがあったらいいよね」みたいなところを、その1週間の間にブラッシュアップしていきました。元々、電子チケットを販売していたところに、ライブ配信を埋め込むような形になったので、一から作り上げたというよりは、元々あるシステムに乗せていったようなイメージですね。

―チケットを売るシステムと、ライブというコンテンツを配信するシステムは異なりますよね。

大野:そこはエンジニアたちがスゴいスピードでVimeoさんと話をしました。当初はYouTubeでやる予定だったんですけど、YouTubeの規約に違反しているという連絡が来て。そこから、Vimeoさんのシステムをどのようにこのチケットの中に埋め込むのかっていうところを、夜な夜なVimeoさんとやり取りして、最終的には2社間での独自の契約を結ぶことができました。開発に関しては、視聴ページに埋め込んでいるVimeoの映像から、仮にリンクが外部に漏れてしまったとしても、ZAIKOの外ではコンテンツが視聴できないようにシステムの中でどう制限ををかけていくかっていうところが、だいぶ難しかったんじゃないかなと思います。


ZAOKO初の有料チケット制によるライブ配信、3月13日のceroのライブ配信「Contemporary http Cruise」(Photo by 廣田達也)

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