83歳のブルースマン、バディ・ガイがコロナ禍の生活とデモについて語る

2020年6月6日、自宅でのバディ・ガイ(Photo by Lyndon French for Rolling Stone)

警察官の残忍行為への抗議デモで米シカゴにあるバディ・ガイのブルース・クラブは被害を受けた。しかし、彼はこのムーブメントが「過去に達成できたことよりも大きな成果をもたらすかもしれない」と言う。

ある朝、「2カ月ほど前のアリゾナのライブがキャンセルになってから一度もギターを手に持っていない」と、シカゴの自宅でバディ・ガイが言った。ちょうどスーパーに行こうとしてマスクをつけようとしていた。「ほら、私もちゃんとルールを守っているよ」と。

現在83歳のブルース・レジェンドは、キャリア始まって以来の長期休暇に、相変わらず自分を慣らしている最中だという。3月12日のカリフォルニア州オレンジ・カウンティでのライブ後は一度もライブ演奏していない。彼が経験した最も長い休暇を思い出そうとして、レッカー車の運転手をしながらチェス・レコードのセッション・ギタリスト時代まで思いを馳せた。この頃、彼はハウリン・ウルフ、ソニー・ボーイ・ウィリアムソン、リトル・ウォルターなどのヒット曲で演奏した。1950年代後半のことだ。

「ここ50年でこれだけ長く家にいたのは初めてだ」とガイ。ここ半世紀、彼はずっとアクティブに活動を続けてきた。そして、ジミ・ヘンドリクスからスティーヴィー・レイ・ヴォーン、ゲイリー・クラーク・ジュニアまで、彼の味わい深くマニアックなスタイルが影響を与えてきた。ここ10年間でアルバムを4枚リリースし、現在は新作を制作中だ。世界中をツアーしていないとき、彼はバディ・ガイズ・レジェンズというシカゴで一番大きいブルース・クラブにいる。これはガイが1989年に開店したクラブだ。

【画像】2020年1月16日、シカゴのバディ・ガイズ・レジェンズでプレイするバディ・ガイほか(写真)

しかし、パンデミックの影響で現在レジェンズは休業中。ガイは再開時には上手く立ち回りたいと言う。「子どもたちには『まっ、金はちょっとあるから少しの間は大丈夫だし、状況をしっかりと見極めよう』と言ったんだ」と説明してくれた。実は彼はこの突然の休暇にレジェンズの改装をしようと思っていた。ところが世界中に広がったジョージ・フロイドを殺害した警察に対する抗議デモのせいで、現在のレジェンズは板囲いされている。ガイは今回の一連の抗議デモは長い間表に出なかった問題が噴出した報いだと言った。「たくさんのことが起きて、絨毯の下に隠してあったことが明るみに出た。そして一気に爆発したのを世界中が目撃してしまった。この事象が過去に達成できたことよりも大きな成果をもたらすかもしれない」と。

ツアーに出ないこの時期に、ガイはオンライン・ラジオ局バディ・ガイ・ラジオ(Buddy Guy Radio)を開設した。これは24時間放送のラジオ局でブルース・アーティストのプラットフォームの役割を果たす。ガイは言う。「大きなFM局はもうブルースをかけなくなった。ときどき、彼らが曲をかけなくなった原因を自分たちが作ってしまったのかと考えることもある。B.B.キングが亡くなる前にこのことについてよく話していた。彼らがブルースをかけなくなった理由は今もわからないよ。彼らにバディ・ガイを毎日かけてほしくはないが、週に一度くらいは私のためにマディ・ウォーターズをかけてほしいんだよ」と。

Translated by Miki Nakayama

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