83歳のブルースマン、バディ・ガイがコロナ禍の生活とデモについて語る

2020年6月6日、自宅でのバディ・ガイ(Photo by Lyndon French for Rolling Stone)



ツアーに出ない生活について「生まれ育った農場の頃を思い起こさせる」

―ツアーに出ない生活についてお聞きしたいです。どんなふうに生活が変わりましたか?

そうだな、家の中で退屈しているよ。でも私はルイジアナ州レッツワースの農場生まれで、これがその頃を思い起こさせる。あの頃、この時期は終日、畑で小作をやっていた。当時はラバがいて農耕機など一切なかったがね。ラバと馬だった。当時は自宅にいて、部屋に押し込められて、家の中にできるだけ長くいるようにして、自分の側には誰もいなかった。そういう頃の記憶がフラッシュバックするんだよ。私は人と距離を持つ方が好きだし、自宅の家族以外とは距離のある環境で育った。お隣さんに行くのに馬に乗らないといけなかったし、私が育ったプランテーションというのはそういう場所だったんだ。

―今、毎日何をして過ごしていますか?

私の出身地ルイジアナでは、料理の仕方を知らないと食べるものに困ることになった。当時はマクドナルドもケンタッキー・フライド・チキンもなかったから。だから、料理は絶対に忘れなかった。今でも自分で茹でた料理が好きだし、豆でもなんでも好きだね。先週、子どもや孫たちにこういうことは初めてじゃないと教えたんだ。家族が「肉が足りなくなる」というから、私が育った場所には冷蔵庫なんてなかったし、「今日はステーキを食べるぞ」みたいなことは一切なかったってね。家族で鶏を育て、一年に一度だけ豚をさばいた。これはクリスマスのときだよ。そういうことも思い出したんだ。塩豚を一切れ食べたら、あとは豆を煮ている鍋に入れた。それが年がら年中で、概ねそんなふうだった。

―買い物も自分で行くのですか?

ああ。ほら、ちゃんとマスクをつけるよ。ルールは守らないとね。でも、どうなることやら。まだ農場にいた幼い頃に母が「百日咳や麻疹で死ぬことがあるけど、お店に行って食べ物を買わないと飢えで死ぬからね」と教えてくれた。それを聞いた私がどうするか、わかるだろう? 家の中に閉じこもって何も食べずに死ぬっていうのか? 私なら一か八か店に行って、小麦粉を一袋買ってきて、パンか何かを作るよ。

―今回の休みは50年のキャリアの中で最も長いものなのでは?

そうだと思う。音楽だけで食えるようになる前にはレッカー車の運転手をしていたから、きっとこの50年間に家にいたトータルの日数と今回の休みは同じくらいか、ちょっと長いかって感じだね。

Translated by Miki Nakayama

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