レッド・ツェッペリン究極の名曲トップ40

3.「ブラック・ドッグ」(1971年 原題:Black Dog)

間違いなくレッド・ツェッペリン史上最もクールなリフだと言える。ジョーンズがマディ・ウォーターズを念頭にリフの原型を作り、ペイジが愛器レスポールでボンゾのグルーヴに合わせてトリッキーに仕上げた。中盤では、マルチトラックでレコーディングされたリズムギターと複雑に絡み合う。しかしこの曲の最大の魅力は、プラントの“Hey, hey, mama, said the way you move/Gonna make you sweat, gonna make you groove”という歌い出しだろう。シェイクスピアとまでは言わないが、プラントが後に語っているように、「ブラック・ドッグ」のような曲には「主張」がある。




2.「天国への階段」(1971年 原題:Stairway to Heaven)

アルバム『レッド・ツェッペリンIV』に収録された有名なパワーバラードで、70年代ロックを代表する金字塔と言える。エリザベス朝の雰囲気を持つアコースティックギターのイントロに始まり、プラントの神秘的な詩からペイジの渦巻くギターソロに続く約8分間の作品。パワーを抑えて静かに始まり、徐々に盛り上げていく手法は、その後のロックのひとつのお手本となった。「アドレナリンが吹き出すのに任せてスピードアップするのさ」とペイジは語った。彼のインプロヴァイゼーションによるギタープレイは、プラントのヴォーカルを盛り上げるのに一役買っている。「俺たちにとってのマイルストーンだった」と彼は言う。




1.「胸いっぱいの愛を」(1969年 原題:Whole Lotta Love)

卑猥かつ過激で荘厳な、典型的なレッド・ツェッペリンの作品。「心の奥から」とプラントが叫ぶ。「僕の愛を残らず君に捧げよう」と告げ、さらに「君の相手になりたい」と浮気を誘う。4分半あたりからの最後の部分は特に猥褻で、「ラヴ」と言った後にエコーのブラックホールへ思い切り叫ぶ(このゴーストヴォーカルは偶然の産物だった。使われていないヴォーカルトラックに意図せず入り込んだ音を、ペイジが残しておこうと決めたのだ)。数年後、プラントは歌詞の一部をウィリー・ディクスンの「ユー・ニード・ラヴ」から取ったことを率直に認めた。当初「胸いっぱいの愛を」にブルーズマスターのディクスンの名はクレジットされていなかったが、裁判の結果ディクスン側が勝利した。「何を歌おうかと考えて、盗んだのさ。今は喜んで対価を支払っている」とプラントは言う。しかしロンドンのオリンピック・スタジオでレコーディングされニューヨークでミックスされた「胸いっぱいの愛を」は、リメイクの域を超えている。中間部はブラックライトに照らされた幻覚の世界だ。テルミンのフォアプレイが震えてシンバルが思わせぶりに響き、オーガニズムの呻き声が渦巻く。メタルスライドとバックワードエコーを駆使したペイジの生き生きとしたギターリフは、レスポールから繰り出された中でも最も激しいリフのひとつと言えるだろう。さらにジョン・ポール・ジョーンズとジョン・ボーナムがしっかりと支えている。「俺のリフはいつでも全くのオリジナルだ。説明は不要だろう」とペイジは言う。

●【貴重写真】レッド・ツェッペリン黄金時代を振り返る(全40点)


Translated by Smokva Tokyo

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