「ヒプノシスマイク」で異彩を放つ新鋭ナゴヤ・ディビジョン、声優3人が語るその魅力

左から四十物 十四役の榊原優希、波羅夷 空却役の葉山翔太、天国 獄役の竹内栄治(Photo by Kana Tarumi)



空却と獄のキャラクターづくりについて

―葉山さんは空却というキャラクターを形成するために何か取り組んだことはありますか? 寺の息子だが、言動は下品という。

葉山:空却はいい奴なのに口が悪いんです。何で口が悪いんだろう?と考えた時、世の中をけっこう細かく見てるからじゃないかと思って。そういう風に考え方を変えてから僕自身も口が悪くなってしまい……(笑)。で、どんな時に自分は口が悪くなるだろうと考えたら、ゲームに熱中してる時だったんですよ。「クソ!」とか「この野郎!」とか。その感覚を膨らませていった結果、友達にも「おい」「お前」とか、これまで自分の中になかった言葉がつるつる出てくるようになりました。僕自身はそんなに押せ押せなタイプじゃないけど、空却はすごい引っ張っていくキャラクターじゃないですか。なので意思を強くっていうのを、普段から意識してましたね。

榊原:葉山さんはドラマパートの収録の時、完全に空却の中に入ってらしたので、今は初めて会った時よりちょっと丸くなってるかもしれない(笑)。

葉山:事務所の先輩にも相談して「ちょっと最近、役の影響で口が悪くなるんですけど……」って(笑)。そしたら「スイッチを切り替えて、普段は自分のままでいるよ」って教えていただいたので、じゃあ自分もそうしようって思って努力した結果、今は落ち着きました。


波羅夷 空却役の葉山翔太(Photo by Kana Tarumi)

―それくらいガラッと変えないと、この役はできないなって思ったんですか。

葉山:それは空却に限らずって感じなんですけど、でも空却をやるからにはそういう風に自分を変える必要があると思ったし、そうじゃないとリーダーとして獄や十四も引っ張っていけないだろうなと。

―空却のソロ曲「そうぎゃらん BAM」も、曲の展開がすごい変則的じゃないですか。冒頭のフリースタイルの鋭さがありつつ、サビで80年代の華やかな感じになって。

葉山:「昭和感」ってみんなは言ってくれてましたね。



―難易度の高そうな曲。

葉山:本当に難しかったですね。

―どの辺が一番苦労しましたか。

葉山:全てにおいてなんですけど……。英語の発音ですかね。〈そうぎゃらん BAM〉の「BAM」を「バン」じゃなくて「BAM」ってちゃんと口を閉じて発音する。Google翻訳に「BAM」って打ってそれを聞きながら「BAM、BAM」って繰り返し練習したりして。それが最初の壁だったんですけど、あとは入りのフリースタイル的なところで、リズムが取りにくかったり、平坦に聞こえる部分でも音程が上下したりして、全部をよく聴かなきゃいけなかったです。

―ちなみにZeebraさんの本とかを読んだり、いろんなラッパーについて調べたりした結果、葉山さんなりに掴んだものとか気づいたことって何かありますか?

葉山:とにかく自分を強く出されてるなって印象があって。Zeebraさんをはじめ、いろんなラッパーさんの自伝も読んだんですけど、皆さんの人生の中にあるいろんな感情、怒りや悲しみや喜びとか、そういうものがゴチャ混ぜになって強い意志を生んでるんじゃないかと思ったんですね。だから空却のラップにもそういう背景があるだろうなと思いました。

―なるほど。竹内さんはインプットの部分で何か意識したことはありましたか。獄というキャラクターはリーゼント頭の弁護士ですけど。

竹内:ナゴヤ・ディビジョンって十四のサクセスストーリーが話の軸で、そこに関わってる空却と獄という見方もできるんですよ。二人とも口は悪いけど芯のところでは優しい……みたいな。だから役の芝居的な感じで言うと、自分的にはスッと入っていけたと思います。こうかな?って思ってた方向性からそんなに大きくは外れなかったので。

―ソロ曲「One and Two, and Law」は王道のヒップホップって感じですね。

竹内:ロカビリーっぽい感じのリズムの流れやフロウがあって、僕がこれまで聴いてきた音楽の中にそういう要素はなかったので、そこは練習しましたね。例えばエルヴィス・プレスリーとか、参考用に教えていただいた曲を聴いたりして、「こういう感じなのかな?」って模索しながらやりました。



―リファレンスを参考に自分なりに消化していくプロセスって、声優のお仕事されている時と似ているんですか?

竹内:似てると思います。僕を通して獄というキャラクターを出すみたいな感じになるので、そこはたぶんお芝居とそんなに変わらない意識で僕はやってます。

―って考えると、耳がよくないとできないですよね?

竹内:ある程度は必要なのかなと思います。

―音楽的な耳っていうのは勿論そうなんですけど、本質を掴む耳っていうか。歌い方とかリズム感とか。

竹内:たぶんどっちかって言うと、リズム感のほうなのかなと。獄の歌のリズムって、他の二人とは明らかに違いますし。

葉山:トラックの音を自分なりに掴めたとしても、歌い方をどうするのかって部分は、たぶん耳の良さに関連してくると思います。歌が上手いかどうかはリズム感で決まってくると思うけど、それを表現できるかってなってくると耳のほうになるんだと思う。

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