チャールズ・マンソンの遺灰マスク、ファンやコレクターの間で物議を醸す

1969年のシャロン・テート/ラ・ビアンカ夫妻殺害事件に関し、第1級殺人および殺人未遂で有罪判決を受けたチャールズ・マンソン(Photo by AP/Shutterstock)



全員がマスクに否定的な見方をしているわけではない

同様に、マンソンの友人で長年コレクターをしているマイケル・チャネルズ氏もマスクを問題視している。「アーティストたちは故人の遺品を冒涜しています。故人や遺族、遺産、司法制度を完全に侮辱する行為です」と、チャネルズ氏はローリングストーン誌に語った。「明らかに金儲けと身勝手な売名行為です。マスクやアートとは何の関係もない。チャールズ・マンソンの一部が使われているからこそ、彼らはニュースで取り上げられたんです――マスクや芸術性のためじゃない」

チャネルズ氏いわく、マスクは遺体の一部が含まれていると言う点で、市場で出回っている他の殺人コレクターズアイテムとは一線を画している。「チャールズ・マンソンだからといって、言語道断な行為をしてもいいわけじゃありません」と彼は語った。「死んだ人間の一部を使って描いた絵なんて、野蛮で不謹慎です」

マンソンの遺物をめぐっては、彼の孫ジェイソン・フリーマン氏とチャネル氏、それにマンソンの息子マイケル・ブラナー氏が所有権を主張していたが、2018年3月、カリフォルニアの裁判所はフリーマン氏に所有権を認めた。2002年に書かれたマンソンの遺言書ではチャネルズ氏が唯一の相続人に指名されていたが、カーン郡検視局の弁護士は、遺言書の最後のページが別の手書きの手紙と思しきものであることから、その正当性に疑問を呈した。マンソンの遺産の行方――衣類数点や、さまざまな楽曲のロイヤリティなどなど――に関して、裁判所の裁定はまだ出ていないが、今のところチャネルズ氏とフリーマン氏の2名に絞られている。

「チャールズ・マンソンの遺言執行人として、彼の遺体が多くの心無い個人から不当な扱いを受けるのを見てきました。奴らは可能な限り金を巻き上げようと企み、遺体の取り扱いに関する故人の遺志はもちろん、裁判所や遺族、遺産管理人の希望を無視しています」とチャネルズ氏。彼曰く、もし自分が2018年にマンソンの遺物所有権を認められていたなら、生前マンソンが望んでいたようにデスバレーに埋葬したのに、と付け加えた。

だが、全員がマスクに否定的な見方をしているわけではない。実在する犯罪関連のコレクターグッズを販売するサイトSerial Killer Inkを運営するエリック・ホラー氏は、マスクも、制作手法も、使われた材料もまったく気にならないと言う。また、人間の血液および/または遺灰をアート作品に使うことはさして珍しくない、とも指摘した。

「1970年代には、KISSが自分たちの血液サンプルをインクに混入して、コミックブックを印刷しました」と、ホラー氏はローリングストーン誌に語った。「芸術表現として血を使ったもっと過激な例は、今は亡きパンクロックのレジェンドGGアリンの1980年代のパフォーマンスでしょうね。アリンは自分の身体を深々と刺して、ステージ上で血を流していたことで有名です。KISSやアリン同様、マンソンも悪魔の化身だという誤った批判を受けてきました。僕自身はそういう考えは信じていません。僕はアートを本来の姿、つまりアートとしてとらえています――たとえメインストリームからタブー視されたとしてもね。三者三様とも、それぞれ理由は違いますが、興味深いと思いますよ」

実際ホラー氏は、たとえばマンソンの入れ歯など、これまで売られてきたマンソン関連グッズと同じく、マスクも問題ではないという。「うちのwebサイトの商品リストにこのマスクを掲載しても、僕のほうは一向に差支えありませんよ」

フィッシャー氏いわく、マスクへの反発があってもぐっすり眠れているそうだ。「いつだって世に作品を出すときは、冷やかしを受けるものです。インターネットはアートを揶揄する連中に事欠きませんからね」。フィッシャー氏とオールマイティ氏は、とにもかくにもマンソンが興味深い人物だと力説する。将来的にマンソンは、魔術師アレイスター・クロウリーや神秘主義者グレゴリー・ラスプーチンと肩を並べることになるだろう、とオールマイティ氏は予測している。そして自分のマスクを、ビクトリア朝時代の毛髪アートと同じような死の表徴と考えている。

「ようするに、チャールズ・マンソンの人生には惹きつけてやまないものがあるんです。これに異を唱える人は、真実が見えていないんですよ」とフィッシャー氏。「これだけ年月が経った今も(我々が今も彼を話題にしているのには)理由があります。1969年以降、この国にはごまんと殺人犯が現れましたが、ほとんど全員が忘れ去られているじゃありませんか」

Translated by Akiko Kato

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