チャールズ・マンソンの遺灰マスク、ファンやコレクターの間で物議を醸す

1969年のシャロン・テート/ラ・ビアンカ夫妻殺害事件に関し、第1級殺人および殺人未遂で有罪判決を受けたチャールズ・マンソン(Photo by AP/Shutterstock)



マンソンとオールマイティ氏が交わした会話の内容とは?

マンソンとオールマイティ氏は何度か電話で言葉を交わした。話題は音楽業界のことから、パンクロックやマリリン・マンソンのこと、刑務所ではどんなTV番組がみられるのかということ――彼は『Mister Rogers’ Neighborhood(原題)』、『セサミストリート』、『バーニー&フレンズ』を挙げた――数回電話をかけた後、オールマイティ氏はマンソンと連絡を取らなくなったが、数年前にマンソンが病気になったと知り、再度コンタクトを試みた。この時オールマイティ氏はすでに2作目のマンソンの肖像画を制作済みで――人間の血液で描いた――マンソンが死ぬ前に一目見てほしいと願っていた。

オールマイティ氏は依頼を受けた作品の他に、血の肖像画として、マンソンの肖像画を少なくとも5作品、さらに宗教指導者ディバインや作家エドガー・アラン・ポー、GGアリン、P・T・バーナム、エリザベス・ショート(1940年代の未解決殺人事件の被害者で、別名“ブラック・ダリア”)といった著名人の肖像画を手がけた。これら作品は遠くから見ると、様々な色合いの赤と黒の絵具で描かれた写実的な水彩画のようだ。間近で見ると、オールマイティ氏が「スプラッター法(splaturation)」と呼ぶテクニックによる精緻な描写が見て取れる。彼は主に自分の血で作品を制作しており、マンソンの2体のマスクにも彼の血が使われている。「静脈切開の医師と同じような手順ですよ」と彼は説明する。「注射器を使って絵を描くんです。1枚の絵を描くのに必要な血の量は、実はみなさんが思うよりも少ないんですよ」 オールマイティ氏によれば、マスクの制作に使われた遺灰は、マンソンの葬儀に出席した人物からもらったものだそうだ。

共同作業する以前から、フィッシャー氏とオールマイティ氏は互いの作品のファンで、7~8年ほど友情を温めていた。フィッシャー氏は2016年2月からずっと様々なバージョンのマンソンのマスクを発表していたので(ただし遺灰は使われていない)すでに型を持っており、オールマイティ氏の血の肖像画に応用したいと考えていた。オールマイティ氏はオハイオ州アクロンにあるフィッシャー氏のスタジオへ出向き、共同作品の制作に取り掛かった。この時2人はオールマイティ氏の血とマンソンの遺灰を混ぜ合わせたものを、マスクの眼球の部分に施した。

今のところ、マスクはフィッシャー氏とオールマイティ氏がそれぞれ1体ずつ所有している。だがフィッシャー氏は、しかるべき買い手に売っても構わないと言う。「もしこの作品が自分のミュージアムやコレクションにふさわしいと思う人がいれば、僕らも本気で作品点数を増やすことを検討しますよ。でも大量生産するつもりはありません。そこら辺りによくあるような、金目当てのこけおどしではありませんから」と、彼はローリングストーン誌に語った。「僕らはかなり本気です。自分たちが所有するものの歴史的意義を理解しています」

Translated by Akiko Kato

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