インターネット視点でのクラブカルチャーをNight Tempo、DJ hype、DJ hasが語る

「現場」でかかるSoundCloudやYouTubeの音楽

has:そのあと、2019年1月に僕が主催したFlamingosisのイベントにNight Tempoさんをお呼びさせていただいて。そのときの印象はどうでしたか。

Night Tempo:イベント自体の性格が違って、パーティーより共演みたいな形だから準備をして臨んだんですけど、いろんな方が出るパーティとは違う印象でした。最後にカラオケもしましたよね?

has:Night Tempoさんが最後の曲をかけたときに、hypeさんとNight Tempoさんと「TSUNAMI」のカラオケをやるっていう。初めて見にきた人にとっては茶番だっただろうけど、あれをきっかけにNight Tempoさんもいろいろなイベントに呼ばれるようになって。

Night Tempo:もともと僕はプロデューサーじゃなくて、プログラマーだったんです。1年くらいかけて音楽をやってみようと思って頑張って仕事に戻ろうとしたんですけど、いい話をいただいて。もうちょっと頑張ろうと思って、フジロックに出たり、杏里さんにも直接会ってカセットテープにサインをもらったり、たくさんのことがありました。

has:当時のFuture Funkって、SoundCloudやYouTubeでブートレグがあがっていた記憶があるんですけど、僕らが普段いるLOUNGE NEOとかClub Asiaとかでもよくかかっていましたよね。SoundCloudやYouTubeにあがっている音楽が現場でかかるってことに対しては、どういうお考えですか。

hype:DJをはじめた2012年くらいにはSoundCloudがあったけど、誰でも使っているような状況ではないし認知度は今よりも低くて。一体型のCDJとかPCDJとかもないし、USBも刺さるわけでもないしって状況で。僕が初めてやったときはパカって開くタイプのCDJだったので懐かしいです(笑)。今でこそ、ブートとかもたくさん出てきて、SoundCloudだけじゃなく、Bandcampとか、いろんな手法でブートをDLできるようになっている状況ですけど、最近はハウスとかテクノとかではなくて、アイドル曲とかFuture Baseとかアニメを掛け合わせたものとかが特に多い。ブートとかをかけるDJも増えてきたなって。当然DJが増えるといろんな人がいるんですけど、広まることはいいことなのかなと思っています。

has:Night Tempoさんが最初に音源をアップしたのってSoundCloudだと思うんですけど、広まり方も含めてどういうふうに使っていたんでしょう。

Night Tempo:ネットの友達は欧米と西欧にたくさんいたんですけど、その人たちはもっと前から使っていたんですよ。日本に呼ばれる前の2、3年前から。だから、僕にとってはけっこう普通だったんです。たくさんの人に聴かせるより、自分が作ったものを友達と共有するために使っていた。「こういうの作ったから聴いてみて」って感じでFacebookでリンクを送ったりしていて。これいいね、こういう方法で作ってみようって作品を作り続けて、そこからFuture FunkだったりVaporwaveっていうインターネットと音楽のシーンがもうちょっと広がっていって、オフラインのhypeさんとかhasさんにも繋がっていったのかなと思います。


Courtesy of  WHITE NIGHT WEEK

has:当時友達になったアーティストと今も交流はありますか?

Night Tempo:今もクルーを組んで一緒に遊びにいったり、ツアーって形で一緒にやったり、だいたい遊びにいくことが多いです。韓国が好きな子が多いので、一緒にカルビを食べにいったり。でも、みんなちゃんと自分の音楽をやっているので、その中でお互い楽しければいいっていう形をみつけられていて。音楽好きな人たちを呼んで音楽をちっちゃく楽しめる。それが楽しいですね。

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