「助けて」を言えない社会の方に問題はないか? 他人に助けを求める「援助希求行動」

音楽学校の講師でもあり、産業カウンセラーの資格も持つ手島将彦の連載第2回(Photo by Pixabay)



ザ・プロディジーは、フロントマンのキース・フリントの自殺を受け、「もしも君がうつや依存症、自殺願望に苦しんでいるのだとしたら、どうか1人で苦しまないでほしい」と、メンタルヘルスによりオープンになり、積極的に助けを求めていくように促すメッセージを発表しています。

また、元デスティニーズ・チャイルドのミシェル・ウィリアムズも、自身がうつ病に悩まされていることを告白し、ツイッターで「助けが必要なときには、あなたを愛し、あなたの健康にケアしてくれる人たちからの支援や助言を受け容れるよう、何年にもわたって奨励してきました」と、やはり「助けを求めること」の重要性を説いています。

周囲にサポートを積極的に求めることを「援助希求行動」と言いますが、これはメンタルヘルスに関してだけでなく、人が生活していく上でとても大切な能力でもあります。例えば、何らかの仕事で困っていることを1人で抱え込んでしまうのではなく、「困っていること」を周囲に伝え、援助や助言を受ける方が良い結果に繋がるでしょう。

自殺リスクの高い人には、この援助希求能力の乏しさがあります。誰かに相談したり助けを求めたりする代わりに、カッターでの自傷など痛みによって意識を逸らして生き延びている場合もあるのです。



ただ、ここで気をつけたいことは、誰かの援助希求能力が低いのだとすると、それにはそうなる理由がある、ということです。誰かに助けを求めるという行為は、ある意味無防備で危険なことでもありますし、時には恥辱的でもあります。助けを求めることによってコミュニティから偏見に晒されて排除されることを怖れる人もいるでしょう。自身の成育歴によって、社会や他人に対する不信感が強かったり、自分自身に価値を見出せなかったりする人もいるでしょう。あるいは、依存したい対象に嫌われたくないからこそ本音を言えなくなるという場合もあります。こういった様々な事情から「助けて」が言えないことがあるのです。

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