TEAM SHACHIの咲良菜緒が独自の感性で未知の楽曲に触れていく連載「咲良菜緒のめかくしストリーミング」も、今回で4回目。
前回、ラムシュタインに出会ったことで、ある種のゴールに到達した感のある彼女。そこで今回は、夏にリリースしたシングル「Rock Away」で挑戦したパンクに照準をあわせ、セックス・ピストルズからいろいろと聴いてもらうことにした。これまでもパンクは得意ではないと話していた彼女は、一体どんな反応を示しただろうか――。
―なんか今日は大人な雰囲気ですね。
そんなことありますか?(笑)
―あはは!
でも、20代になって家族にやさしくなってきた気がする。些細なことだけど、お母さんと一緒にスーパーに行ったときに、「荷物持つから、先に帰っていいよ」って言ったり。
―「これ、お土産に買っていったら喜ぶかな?」とか思ったり。
そうそうそう! 親に「買って」ってお願いすることがなくなりました。親から誕生日プレゼントはもらわないけど、自分から親には買う、みたいな。
―さて、今年の夏はどうでした? 今年のフェスには13人編成という大所帯で臨みまたよね。
JOIN ALIVEとロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)は前に出たことがあってお客さんの雰囲気もわかってたから、どういうライブの組み方をしたらいいか想像がついてたんですけど、サマソニ(大阪)は初めてだったし、海外のアーティストさん目当ての方も多いだろうから、何が正解か全然わかんなくて。結局、ライブの組み方は変えずにクオリティだけ上げていくっていうやり方をしました。私たちはお昼ぐらいの出番だったんですけど、大阪のサマソニは台風の影響で一番大きいステージと二番目に大きいステージのアーティストさんが途中まで出られなくて、観るアーティストがいなくなったお客さんが私たちが出る小さいステージに集まってくれたのもあって、3公演のなかでは一番満足のいくライブができました。
―ブラス民とバンドも含めた13人編成でのライブってどうなんですか?
Buntaさんには曲間をドラムでつないでいただいたり、日高(央)さんはトークが上手なのでサウンドチェックのときに盛り上げていただいたり、ブラス民は楽器を吹きながら踊るし、バンドとブラス民と私たちがそれぞれの見せ場を作れて、回数を重ねるごとに息も合っていったのでよかったと思いますし、Buntaさんや日高さんがいることで観に来てくれた方もいたので、すごくよかったと思います。
―それにしても、新曲「Rocket Queen feat. MCU」はいい曲ですね!
本当ですか⁉ 私たちは作る段階から聴いてるから、何がいいのかだんだんわからなくなってくるんですけど、そう言ってもらえてよかったです。「ロックマン」とコラボしたりしたことで、みんなが注目してくれているので、気合い入れてよかったです。
―「ロックマン」なんて完全に反則ですよ。あちこちで言われてると思いますけど。
すごく言われます! 今、「ロックマン」のゲームが携帯で無料でできるんですよ。すごく難しいゲームで、その攻略のヒントとしてMVがあるんです。
―最初は曲を聴くつもりで見始めたのに、「これ、すごくねえ……?」って見入ってしまうという。
そう。ゲームのクオリティがめちゃめちゃ高くて。
―もうひとつ、吹奏楽とのコラボしたバージョンもあって、そっちもいいですよね。
そう。「ロックマン」とは全然音が違って、こちらはこちらで壮大になっていてすごくカッコいいです。
―どっちのアレンジもよくて甲乙つけがたい。
マーチングのほうも本間昭光さんがアレンジしてくださったんですよ。ミュージックビデオの撮影は高校でやったんですけど、演奏のチェックのためにも本間さんがわざわざ確認して指導してくださったので、「さすが本間さん!」って感じでしたね。
―だからあのクオリティなのか。
私たちが「キーを上げたい」って言ったら、「そうなると、この楽器の音がなあ……」って。そういう繊細で難しいところや私たちのオーダーも含めていろいろと調整してくださってすごくカッコよくなりました。
―あのミュージック・ビデオも撮影が大変そうですね。
私たちよりも吹奏楽のみんなが大変で。全部で70人以上いて、みんなダンスをやったことがない子たちなので、朝早くからダンスのリハーサルをやってくれて、そのおかげで部員の子のミスはなかったんだけど、私たちのせいで何回か撮り直しになって、本当に申し訳なかったなって。