Borisが追求するヘヴィさとは? エクストリームなポップサイド描く新作を語る

─アイドルも2011年当時から比べると、かなり細分化しました。シューゲイザーのアイドルだとか、エクスペリメントの感じだとか。Atsuoさんはアイドルのどのようなところに面白さを感じていらっしゃいますか?

Atsuo:いや、僕はアイドルには全然詳しくなくて。逆に“アイドル”として捉えて接しないように心がけています。会って、ライブを観て、こういうアーティストなんだ、そういう人なんだなという自分の実感を伴った捉え方と関わり方しかしたくない。“アイドル“と十把一絡げに批評めいたこともあまり言いたくないです。結局アーティスト同士っていうのはお互いの人生を認め合ったり肯定し合ったりしていく関係性だと思うんですね。こたおちゃんの撮影もね、元アイドルのモデルさんが来ますって伺っていて。初対面だったのですが、こたおちゃんと実際に話をして人柄もいろいろと知ることが出来て。本人は意図しなくても、場が彼女のオーラに巻き込まれて加速していく空気感とかは素晴らしかったですね。こたおちゃんとTRASH-UP!! がこれまで積み上げてきた関係性もあるとも感じましたね。いいコラボレーションでした。

─しかもMVは、Atsuoさんが編集をされているとのことで。

Atsuo:はい(笑)。Music Videoをどうしようかって話になった時に、ブックレット用の写真をたくさん撮っていたので、それを使おうというアイデアが出まして。『12モンキーズ』の元ネタになった『ラ・ジュテ』という静止画だけで作られているフランス映画があるんですけど、そのオマージュっぽい感じにしたいなって。その発想は良かったんですけど、結局自分で編集することになっちゃって(笑)。静止画を並べているだけでしょ? って思われるかもしれないんですけど、とても大変でした。配置しただけでは全く間が持たないんですね。結局アニメーションを作るのと同じような手法で細やかな表情を付けていきました。大変な作業でしたけど、こたおちゃんの朗らかな笑顔があったりとか、いい画がずっとあったので耐えられました(笑)。



─普段から動画編集はされるんですか?

Atsuo:前回のMVも自分で編集しました。学生の時は映像を専攻していたので、これまでのMVも大体ディレクションしています。Borisのメンバーは美大で出会った仲間ということもあって色々とD.I.Y.でやることが多いです。音、デザイン、映像なんでも作ることが好きなのでね。MVは当初は(TRASH-UP!!所属の)カイ先輩にディレクションして欲しかったんです。カイ先輩が編集したMVの印象が良くて。あちらはビデオのダメージ感で、こっちはフィルムのダメージ感。はっきりと世代の違いが出た作品になりましたね。



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