佐藤隆太が語る俳優人生「ネガティブで神経質だからこそ音楽に救われた」

Rolling Stone Japan vol.06掲載/Coffee & Cigarettes 11 | 佐藤隆太(Photo = Kentaro Kambe)


欲しい情報はネットで簡単に集められ、「レコメンド機能」を使えば好みの映画も簡単に見つけられるようになった。が、「失敗」も少なくなったぶん、佐藤が経験したような「偶然の出会い」というチャンスを、我々は少なからず逃しているのかもしれない。

「確かにそうですね。もちろん意識していたわけじゃないんですけど、失敗を恐れず試してみる姿勢みたいなものは、そのときに培われた気がします」

高校時代の3年間、ずっと野球を続けていた経験も今に活かされているという佐藤。例えば台詞のやり取りとキャッチボールは、どこか通じるものがあるそうだ。

「初めての相手とキャッチボールするときって、すごく緊張するんですよ。信頼関係の出来上がっている人とだったら全然緊張しないし、急に変な球を投げて相手のリアクションを楽しむ余裕もある。芝居も同じで、信頼している相手だと変化球も投げられるし、そこで空気がガラッと変わることもある。リズムが“ハネて”くるんですよね。そのへんはよく似ています」


Photo = Kentaro Kambe

高校を卒業し、日本大学芸術学部へ。あるとき、同級生の1人が受けるオーディションに同行し、そこで初めて舞台『BOYS TIME』に受かって役者のキャリアがスタートした。舞台なんて、親に連れて行かれたことが何度かあるくらいで、まったくの門外漢。それでも飛び込んでいったのは、大好きなウルフルズが音楽を担当していたからだったという。

「ただただウルフルズが好きでした。彼らの男臭さ、華やかな世界にいても、決してカッコつけないカッコよさを貫き通してる。そんな美学に惹かれたし、共感を覚えるところも多かったんでしょうね。オーディション会場に亜門さんと並んでトータス松本さんもいらっしゃっていて、“おいおい、トータスさんの前で歌が歌えるぞ!”って。その興奮で頭がいっぱいでした」

いざ公演が始まってからも「ずっと楽しかった」と佐藤は振り返る。「もうとにかく舞台の洗礼を浴びまくりましたね。“こんな世界があったのか!”と驚きの連続で、そこで彼の視野はまた一段と広がった。「映画俳優になりたい」というこだわりもなくなり、TVも映画も舞台も、来る仕事はなんでも楽しめるようになったという。

「映画と違って舞台はお客さんが目の前にいる。そういう意味では音楽のライブに似ていますよね。演技は日々変化していくし、その場にいた人しか知り得ないことがたくさんある。そんなところにもエキサイトします。本番前は、毎回緊張しまくるんですけどね。初日なんて手が震えているのを、どうにかごまかしながら芝居をすることもある。でもそれを上回るくらい、楽しくて仕方ないんですよ」

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